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女中
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ぢよちう
ふりがな文庫
“
女中
(
ぢよちう
)” の例文
『
留守中
(
るゐちう
)
これは
失禮
(
しつれい
)
でした。
妻
(
さい
)
が
居
(
ゐ
)
ませんので、
女中
(
ぢよちう
)
ばかり‥‥や、つまらん
物
(
もの
)
を
差上
(
さしあ
)
げて
恐縮
(
きようしゆく
)
しました』と
花竦薑
(
はならつきやう
)
を
下目
(
しため
)
で
見
(
み
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
早起
(
はやお
)
きの
女中
(
ぢよちう
)
がざぶ/\、さら/\と、
早
(
はや
)
、その
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
をはく。……
化
(
ば
)
けさうな
古箒
(
ふるばうき
)
も、
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると
銀杏
(
いてふ
)
の
簪
(
かんざし
)
をさした
細腰
(
さいえう
)
の
風情
(
ふぜい
)
がある。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
盡されしとは
露
(
つゆ
)
程も知らざれば
外
(
ほか
)
に
増花
(
ますはな
)
の出來もやせしか
若
(
もし
)
御煩
(
おわづら
)
ひでも成れはせぬかと山口巴の若い者や
女中
(
ぢよちう
)
に樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
両腕はまさに脱ける様だ。斯くして持ち込まれた水は、
細君
(
さいくん
)
女中
(
ぢよちう
)
によつて
金漿
(
きんしやう
)
玉露
(
ぎよくろ
)
と惜み/\使はれる。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
車
(
くるま
)
もなし、
女中
(
ぢよちう
)
も
連
(
つ
)
れずか、やれ/\ま
早
(
はや
)
く
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
れ、さあ
這入
(
はい
)
れ、
何
(
ど
)
うも
不意
(
ふい
)
に
驚
(
おどろ
)
かされたやうでまご/\するわな、
格子
(
かうし
)
は
閉
(
し
)
めずとも
宜
(
よ
)
い
私
(
わ
)
しが
閉
(
し
)
める、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
奧
(
おく
)
が
好
(
い
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
うつかり
女中
(
ぢよちう
)
が
開
(
あ
)
けたとき
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
ころ
柿
(
がき
)
のやうな
髮
(
かみ
)
を
結
(
ゆ
)
つた
霜
(
しも
)
げた
女中
(
ぢよちう
)
が、
雜炊
(
ざふすゐ
)
でもするのでせう——
土間
(
どま
)
で
大釜
(
おほがま
)
の
下
(
した
)
を
焚
(
た
)
いて
居
(
ゐ
)
ました。
番頭
(
ばんとう
)
は
帳場
(
ちやうば
)
に
青
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
端
(
は
)
ては
半燒酎
(
なほし
)
を
村
(
むら
)
の
子
(
こ
)
に
頼
(
たの
)
んで
買
(
か
)
ひに
遣
(
や
)
つて、それを
飮
(
の
)
みながら
大氣焔
(
だいきえん
)
を
吐
(
は
)
く。
留守居
(
るすゐ
)
の
女中
(
ぢよちう
)
は
烟
(
けむ
)
に
卷
(
まか
)
れながら、
茶
(
ちや
)
を
入
(
い
)
れて
出
(
だ
)
す。
菓子
(
くわし
)
を
出
(
だ
)
す。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
習
(
なら
)
はせんと京都へ
登
(
のぼ
)
せ
堂上方
(
だうじやうかた
)
へ
宮仕
(
みやづかへ
)
させしに同家の
女中
(
ぢよちう
)
お竹と云ふに
密通
(
みつつう
)
なし
末々
(
すゑ/″\
)
の
約束迄
(
やくそくまで
)
して居たりしを
朋友
(
ほういう
)
の中にも其女に心を
懸
(
かけ
)
色々と
云寄
(
いひより
)
しが
早晩
(
いつしか
)
大森右膳
(
おほもりうぜん
)
と深き中になり居ると云ふ事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
とすると、
先祖
(
せんぞ
)
へはともかく、
友達
(
ともだち
)
の
顏
(
かほ
)
にかゝはる……と
膽
(
たん
)
を
廊下
(
らうか
)
に
錬
(
ね
)
つて
行
(
ゆ
)
くと、
女中
(
ぢよちう
)
に
案内
(
あんない
)
されたのは、
此
(
これ
)
は
又
(
また
)
心易
(
こゝろやす
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思出
(
おもひだ
)
して
見
(
み
)
ると
未
(
ま
)
だ
奇談
(
きだん
)
があつた。
母
(
はゝ
)
や
妻
(
さい
)
や
親類
(
しんるゐ
)
の
子供
(
こども
)
や、
女中
(
ぢよちう
)
や、
遠
(
とほ
)
くも
無
(
な
)
いので
摘草
(
つみくさ
)
かた/\
見物
(
けんぶつ
)
に
來
(
き
)
た
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
つた。
其時
(
そのとき
)
は
生憎
(
あいにく
)
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
ないので、
採集袋
(
さいしふぶくろ
)
へ
摘草
(
つみくさ
)
を
入
(
い
)
れて
歸
(
かへ
)
つた
事
(
こと
)
もあつた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
一
向
(
かう
)
存
(
ぞんじ
)
申さずと云に
押返
(
おしかへ
)
して將監方に
奉公
(
ほうこう
)
致たるに相違有まいなと尋るに
更
(
さら
)
に
存
(
ぞんじ
)
申さずと答へければ否々廿二三年
跡
(
あと
)
其方奉公中傍輩に澤の井と申す
女中
(
ぢよちう
)
有
(
あり
)
しと存じ居べしと尋ねけれ共一
向
(
かう
)
存申さずと云に次右衞門は
是
(
これ
)
は伊勢より女房に
口留
(
くちどめ
)
したるに相違なしと心付たれば
懷中
(
くわいちう
)
より小判十枚取出し紙に
包
(
つゝ
)
みて差出し
漣
(
いざちや
)
どの此金子は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
下
(
お
)
りざまに、おゝ、
一手桶
(
ひとてをけ
)
持
(
も
)
つて
女中
(
ぢよちう
)
が、と
思
(
おも
)
ふ
鼻
(
はな
)
のさきを、
丸々
(
まる/\
)
とした
脚
(
あし
)
が
二本
(
にほん
)
、
吹
(
ふ
)
きおろす
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
を
宙
(
ちう
)
へ
上
(
あが
)
つた。すぐに
柳川
(
やながは
)
が
馳違
(
はせちが
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
又
(
また
)
、
或時
(
あるとき
)
その
女中
(
ぢよちう
)
が、
同
(
おな
)
じやうに、「れいしゆ。」と
言
(
い
)
つた。
又
(
また
)
分
(
わか
)
らない。「お
早
(
はや
)
く
願
(
ねが
)
ひます。」と
又
(
また
)
女中
(
ぢよちう
)
が
言
(
い
)
つた。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
菊屋
(
きくや
)
に
着
(
つ
)
いて、
一室
(
ひとま
)
に
通
(
とほ
)
されると、まだ
坐
(
すわ
)
りもしない
前
(
さき
)
、
外套
(
ぐわいたう
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎながら、
案内
(
あんない
)
の
女中
(
ぢよちう
)
に
註文
(
ちうもん
)
したのは、
此
(
こ
)
の
男
(
をとこ
)
が、
素人了簡
(
しろうとれうけん
)
の
囘生劑
(
きつけ
)
であつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
消
(
け
)
して
下
(
くだ
)
すつた
兵隊
(
へいたい
)
さんを、こゝでも
拜
(
をが
)
みませう。」と、
女中
(
ぢよちう
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
なつて
門
(
かど
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
家内
(
かない
)
に、「
怪我
(
けが
)
をしますよ。」と
叱
(
しか
)
られて
引込
(
ひきこ
)
んだ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
云
(
い
)
つて
其處
(
そこ
)
に
立
(
た
)
つて
考
(
かんが
)
へたのは、
身綺麗
(
みぎれい
)
らしい
女中
(
ぢよちう
)
であつたが、
私
(
わたし
)
はよくも
見
(
み
)
なかつた。で、
左
(
ひだり
)
の
隅
(
すみ
)
、
屋臺
(
やたい
)
を
横
(
よこ
)
にした
處
(
ところ
)
で、
年配
(
ねんぱい
)
の
老爺
(
おとつさん
)
と、お
婆
(
ばあ
)
さん。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女中
(
ぢよちう
)
も
一荷
(
ひとに
)
背負
(
しよ
)
つてくれようとする
處
(
ところ
)
を、
其處
(
そこ
)
が
急所
(
きふしよ
)
だと
消口
(
けしぐち
)
を
取
(
と
)
つた
處
(
ところ
)
から、
再
(
ふたゝ
)
び
猛然
(
まうぜん
)
として
煤
(
すゝ
)
のやうな
煙
(
けむり
)
が
黒焦
(
くろこ
)
げに
舞上
(
まひあが
)
つた。
渦
(
うづ
)
も
大
(
おほき
)
い。
幅
(
はゞ
)
も
廣
(
ひろ
)
い。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宴會客
(
えんくわいきやく
)
から
第一
(
だいいち
)
に
故障
(
こしやう
)
が
出
(
で
)
た、
藝者
(
げいしや
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
かないさきに
線香
(
せんかう
)
が
切
(
き
)
れたのである。
女中
(
ぢよちう
)
なかまが
異議
(
いぎ
)
をだして、
番頭
(
ばんとう
)
が
腕
(
うで
)
をこまぬき、かみさんが
分別
(
ふんべつ
)
した。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よく
覺
(
おぼ
)
えては
居
(
ゐ
)
ないが、
玄關
(
げんくわん
)
へ
掛
(
かゝ
)
ると、
出迎
(
でむか
)
へた……お
太鼓
(
たいこ
)
に
結
(
むす
)
んだ
女中
(
ぢよちう
)
が
跪
(
ひざまづ
)
いて——ヌイと
突出
(
つきだ
)
した
大學生
(
だいがくせい
)
の
靴
(
くつ
)
を
脱
(
ぬ
)
がしたが、べこぼこんと
弛
(
たる
)
んで、
其癖
(
そのくせ
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
に、
今
(
いま
)
來
(
き
)
た
女中
(
ぢよちう
)
の
註文
(
ちうもん
)
が、
何
(
ど
)
うやら
饀子
(
あんこ
)
ばかりらしいので、
大
(
おほい
)
に
意
(
い
)
を
強
(
つよ
)
うして
然
(
しか
)
るべしと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
渠
(
かれ
)
は
金釦
(
きんぼたん
)
の
制服
(
せいふく
)
だし、
此方
(
こつち
)
は
袴
(
はかま
)
なしの
鳥打
(
とりうち
)
だから、
女中
(
ぢよちう
)
も
一向
(
いつかう
)
に
構
(
かま
)
はなかつたが、いや、
何
(
なに
)
しても、
靴
(
くつ
)
は
羊皮
(
ひつじがは
)
の
上等品
(
じやうとうひん
)
でも
自分
(
じぶん
)
で
脱
(
ぬ
)
ぐ
方
(
はう
)
が
可
(
よ
)
ささうである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まつたく、お
互
(
たがひ
)
が、
所帶
(
しよたい
)
を
持
(
も
)
つて、
女中
(
ぢよちう
)
の
此
(
これ
)
には
惱
(
なや
)
まされた、
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
が
惡
(
わる
)
いから、それだけはよしなよ。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
下
(
した
)
へ
下
(
お
)
りた。——
家内
(
かない
)
は
髮
(
かみ
)
を
結
(
ゆ
)
ひに
出掛
(
でか
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
女中
(
ぢよちう
)
は
久
(
ひさ
)
しぶりのお
天氣
(
てんき
)
で
湯殿口
(
ゆどのぐち
)
に
洗濯
(
せんたく
)
をする。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
ぢいさんが
其
(
その
)
まんまで
控綱
(
ひかへづな
)
を
其処
(
そこ
)
ン
処
(
とこ
)
の
棒杭
(
ばうぐひ
)
に
縛
(
しば
)
りツ
放
(
ぱな
)
しにして
猿
(
さる
)
をうつちやつて
行
(
ゆ
)
かうとしたので、
供
(
とも
)
の
女中
(
ぢよちう
)
が
口
(
くち
)
を
出
(
だ
)
して、
何
(
ど
)
うするつもりだつて
聞
(
き
)
いた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
廣袖
(
どてら
)
へ
着
(
つ
)
けて
女中
(
ぢよちう
)
が、と、はた/\と
袖
(
そで
)
を
煽
(
あふ
)
つたが、フト
鳥
(
とり
)
に
成
(
な
)
るやうに
思
(
おも
)
つて、
暗
(
くら
)
がりで
悚然
(
ぞつ
)
とした。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女中
(
ぢよちう
)
の
方
(
はう
)
は、
前通
(
まへどほ
)
りの
八百屋
(
やほや
)
へ
行
(
ゆ
)
くのだつたが、
下六番町
(
しもろくばんちやう
)
から、
通
(
とほり
)
へ
出
(
で
)
る
藥屋
(
くすりや
)
の
前
(
まへ
)
で、ふと、
左斜
(
ひだりなゝめ
)
の
通
(
とほり
)
の
向側
(
むかうがは
)
を
見
(
み
)
ると、
其處
(
そこ
)
へ
來掛
(
きかゝ
)
つた
羅
(
うすもの
)
の
盛裝
(
せいさう
)
した
若
(
わか
)
い
奧
(
おく
)
さんの
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あとで
聞
(
き
)
くと、
此
(
こ
)
の
夜汽車
(
よぎしや
)
が、
箱根
(
はこね
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
潛
(
くゞ
)
つて
鐵橋
(
てつけう
)
を
渡
(
わた
)
る
刻限
(
こくげん
)
には、
内
(
うち
)
に
留守
(
るす
)
をした
女中
(
ぢよちう
)
が、
女主人
(
をんなしゆじん
)
のためにお
題目
(
だいもく
)
を
稱
(
とな
)
へると
言
(
い
)
ふ
約束
(
やくそく
)
だつたのださうである。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
何家
(
なにや
)
だか
知
(
し
)
らないが、
御支配人
(
ごしはいにん
)
がズツと
先生
(
せんせい
)
を
導
(
みちび
)
くと、
一
(
ひと
)
つゑぐらうといふ
數寄屋
(
すきや
)
がかりの
座敷
(
ざしき
)
へ、
折目
(
をりめ
)
だかな
女中
(
ぢよちう
)
が、
何事
(
なにごと
)
ぞ、コーヒー
入
(
いり
)
の
角砂糖
(
かくざたう
)
を
捧
(
さゝ
)
げて
出
(
で
)
た。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すぐ
翌日
(
よくじつ
)
であつた。が
此
(
これ
)
は
最
(
も
)
う
些
(
ちつ
)
と
時間
(
じかん
)
が
遲
(
おそ
)
い。
女中
(
ぢよちう
)
が
晩
(
ばん
)
の
買出
(
かひだ
)
しに
出掛
(
でか
)
けたのだから
四時頃
(
よじごろ
)
で——しかし
眞夏
(
まなつ
)
の
事
(
こと
)
ゆゑ、
片蔭
(
かたかげ
)
が
出來
(
でき
)
たばかり、
日盛
(
ひざか
)
りと
言
(
い
)
つても
可
(
い
)
い。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
通
(
とほ
)
りへ
買物
(
かひもの
)
から、
歸
(
かへ
)
つて
聞
(
き
)
くと、
女中
(
ぢよちう
)
が、
今
(
いま
)
しがたお
歸
(
かへ
)
りに
成
(
な
)
つたといふ。
矢來
(
やらい
)
の
辻
(
つじ
)
で
行違
(
ゆきちが
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
本雨
(
ほんあめ
)
だ。
第一
(
だいいち
)
、
馴
(
な
)
れた
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
を
行
(
ゆ
)
くやうな、
傘
(
かさ
)
さした
女中
(
ぢよちう
)
の
斜
(
なゝめ
)
な
袖
(
そで
)
も、
振事
(
ふりごと
)
のやうで
姿
(
すがた
)
がいゝ。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
冷酒
(
れいしゆ
)
と
茘枝
(
れいし
)
と
間違
(
まちが
)
へたんですが……そんなら
始
(
はじ
)
めから
冷酒
(
ひやざけ
)
なら
冷酒
(
ひやざけ
)
と
言
(
い
)
つてくれれば
可
(
い
)
いのにと
家内中
(
うちぢう
)
の
者
(
もの
)
は
皆
(
みな
)
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
又
(
また
)
その
女中
(
ぢよちう
)
が「けいらん五、」と
或時
(
あるとき
)
言
(
い
)
つた。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、ぶくりとして、あだ
白
(
じろ
)
い、でぶ/\と
肥
(
ふと
)
つた
肉貫
(
にくかん
)
——(
間違
(
まちが
)
へるな、めかたでない、)——
肉感
(
にくかん
)
の
第一人者
(
だいいちにんしや
)
が、
地響
(
ぢひゞき
)
を
打
(
う
)
つて、
外房州
(
そとばうしう
)
へ
入
(
はひ
)
つた
女中
(
ぢよちう
)
だから、
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
る。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女中
(
ぢよちう
)
が
廊下
(
らうか
)
を、ばた/\と
膳
(
ぜん
)
を
運
(
はこ
)
んで
來
(
き
)
た。
有難
(
ありがた
)
い、
一銚子
(
ひとてうし
)
。
床
(
とこ
)
の
櫻
(
さくら
)
もしつとりと
盛
(
さかり
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少
(
すこ
)
しばかり、
女中
(
ぢよちう
)
に
心
(
こゝろ
)
づけも
出來
(
でき
)
ましたので、それとなく、お
米
(
よね
)
さんの
消息
(
せうそく
)
を
聞
(
き
)
きますと、
蔦屋
(
つたや
)
も
蔦龍館
(
てうりうくわん
)
と
成
(
な
)
つた
發展
(
はつてん
)
で、
持
(
もち
)
の
此
(
こ
)
の
女中
(
ぢよちう
)
などは、
京
(
きやう
)
の
津
(
つ
)
から
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
るのださうで
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
棧
(
かけはし
)
の
亭
(
ちん
)
で、
遙
(
はるか
)
にポン/\とお
掌
(
て
)
が
鳴
(
な
)
る。へーい、と
母家
(
おもや
)
から
女中
(
ぢよちう
)
が
行
(
ゆ
)
くと、……
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
ない。
池
(
いけ
)
の
梅
(
うめ
)
の
小座敷
(
こざしき
)
で、トーンと
灰吹
(
はひふき
)
を
敲
(
たゝ
)
く
音
(
おと
)
がする、
娘
(
むすめ
)
が
行
(
ゆ
)
くと、……
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
に
應
(
おう
)
じて、へいと、どしん/\と
上
(
あが
)
つた
女中
(
ぢよちう
)
が、
次手
(
ついで
)
に
薄暗
(
うすぐら
)
いからランプをつけた
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すぐ
女中
(
ぢよちう
)
の
案内
(
あんない
)
で、
大
(
おほき
)
く
宿
(
やど
)
の
名
(
な
)
を
記
(
しる
)
した
番傘
(
ばんがさ
)
を、
前後
(
あとさき
)
に
揃
(
そろ
)
へて
庭下駄
(
にはげた
)
で
外湯
(
そとゆ
)
に
行
(
ゆ
)
く。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
今
(
いま
)
の
鍋下
(
なべした
)
、おしたぢを、むらさき、ほん
五分
(
ごぶ
)
に
生
(
なま
)
二
(
に
)
なぞと
來
(
き
)
て、しんこと
聞
(
き
)
くと
悚然
(
ぞつ
)
とする。
三
(
み
)
つ
葉
(
ば
)
を
入
(
い
)
れないで
葱
(
ねぎ
)
をくれろといふ
時
(
とき
)
にも
女中
(
ぢよちう
)
は「みつなしの
本
(
ほん
)
五分
(
ごぶ
)
ツ」といふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
糊
(
のり
)
の
新
(
あたら
)
しい
浴衣
(
ゆかた
)
に
着換
(
きか
)
へて——
件
(
くだん
)
の
胴震
(
どうぶる
)
ひをしながら——
廊下
(
らうか
)
へ
出
(
で
)
た。が、する/\と
向
(
むか
)
うへ、
帳場
(
ちやうば
)
の
方
(
はう
)
へ、
遙
(
はるか
)
に
駈
(
か
)
けて
行
(
ゆ
)
く
女中
(
ぢよちう
)
を
見
(
み
)
ながら、
彼
(
かれ
)
は
欄干
(
てすり
)
に
立
(
た
)
つて
猶豫
(
ためら
)
つたのである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
風
(
かぜ
)
が
出
(
で
)
ました、もう
霽
(
あが
)
りませう。」「これはありがたい、お
禮
(
れい
)
を
言
(
い
)
ふよ。」「ほほほ。」ふつくり
色白
(
いろじろ
)
で、
帶
(
おび
)
をきちんとした
島田髷
(
しまだまげ
)
の
女中
(
ぢよちう
)
は、
白地
(
しろぢ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
世話
(
せわ
)
をしながら
笑
(
わら
)
つたが
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
出合
(
であ
)
はせた
女中
(
ぢよちう
)
に、
聞
(
き
)
きなれない、かう
少
(
すこ
)
し
掠
(
かす
)
れたが、よく
通
(
とほ
)
る
底力
(
そこぢから
)
のある、そして
親
(
した
)
しい
聲
(
こゑ
)
で
音
(
おと
)
づれた
人
(
ひと
)
がある。「あ、
長
(
ながし
)
さん。」
私
(
わたし
)
は
心
(
こゝろ
)
づいて
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した。はたして
松本長
(
まつもとながし
)
であつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父親
(
ちゝおや
)
が
佛壇
(
ぶつだん
)
に
御明
(
みあかし
)
を
點
(
てん
)
ずる
間
(
ま
)
に、
母親
(
はゝおや
)
は、
財布
(
さいふ
)
の
紐
(
ひも
)
を
結
(
ゆは
)
へながら、
駈
(
か
)
けて
出
(
で
)
て
之
(
これ
)
を
懷中
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れさせる、
女中
(
ぢよちう
)
がシヨオルをきせかける、
隣
(
となり
)
の
女房
(
にようばう
)
が、
急
(
いそ
)
いで
腕車
(
くるま
)
を
仕立
(
したて
)
に
行
(
ゆ
)
く、とかうする
内
(
うち
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
引添
(
ひきそ
)
つて、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
吉原
(
よしはら
)
かぶりで、
艷
(
えん
)
な
蹴出
(
けだ
)
しの
褄端折
(
つまぱしより
)
をした、
前髮
(
まへがみ
)
のかゝり、
鬢
(
びん
)
のおくれ
毛
(
げ
)
、
明眸皓齒
(
めいぼうかうし
)
の
婦人
(
ふじん
)
がある。しつかりした、さかり
場
(
ば
)
の
女中
(
ぢよちう
)
らしいのが、もう
一人
(
ひとり
)
後
(
あと
)
についてゐる。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
磨込
(
みがきこ
)
んだ
式臺
(
しきだい
)
に
立
(
た
)
つて、
番頭
(
ばんとう
)
と
女中
(
ぢよちう
)
を
左右
(
さいう
)
にしたまゝ、うつかり
訊
(
き
)
いた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
前刻
(
さつき
)
、
草
(
くさ
)
あぜに
立
(
た
)
てた
傘
(
かさ
)
が、パサリと、ひとりで
倒
(
たふ
)
れると、
下
(
した
)
に
寢
(
ね
)
た
女中
(
ぢよちう
)
が
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
葛籠
(
つゞら
)
の
蓋
(
ふた
)
を
取
(
と
)
つたり、
着換
(
きがへ
)
の
綻
(
ほころび
)
を
檢
(
しら
)
べたり、……
洗
(
あら
)
つた
足袋
(
たび
)
を
裏返
(
うらがへ
)
したり、
女中
(
ぢよちう
)
を
買
(
かひ
)
ものに
出
(
だ
)
したり、
何
(
なに
)
か
小氣轉
(
こぎてん
)
に
立𢌞
(
たちまは
)
つて
居
(
ゐ
)
たと
思
(
おも
)
ふと、
晩酌
(
ばんしやく
)
に
乾
(
ひ
)
もので
一合
(
いちがふ
)
つけた
時
(
とき
)
、
甚
(
はなは
)
だ
其
(
そ
)
の
見事
(
みごと
)
でない
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(お
泊
(
とま
)
りは
何方
(
どちら
)
ぢやな、)といつて
聞
(
き
)
かれたから、
私
(
わたし
)
は
一人旅
(
ひとりたび
)
の
旅宿
(
りよしゆく
)
の
詰
(
つま
)
らなさを、
染々
(
しみ/″\
)
歎息
(
たんそく
)
した、
第一
(
だいいち
)
盆
(
ぼん
)
を
持
(
も
)
つて
女中
(
ぢよちう
)
が
坐睡
(
ゐねむり
)
をする、
番頭
(
ばんとう
)
が
空世辞
(
そらせじ
)
をいふ、
廊下
(
らうか
)
を
歩行
(
ある
)
くとじろ/\
目
(
め
)
をつける
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一昨年
(
いつさくねん
)
の
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は、
翌日
(
よくじつ
)
、
半日
(
はんにち
)
、いや、
午後
(
ごご
)
三
時頃
(
じごろ
)
まで、
用
(
よう
)
もないのに、
女中
(
ぢよちう
)
たちの
蔭
(
かげ
)
で
怪
(
あやし
)
む
氣勢
(
けはひ
)
のするのが
思
(
おも
)
ひ
取
(
と
)
られるまで、
腕組
(
うでぐみ
)
が、
肘枕
(
ひぢまくら
)
で、やがて、
夜具
(
やぐ
)
を
引被
(
ひつかぶ
)
つてまで
且
(
か
)
つ
思
(
おも
)
ひ、
且
(
か
)
つ
惱
(
なや
)
み
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“女中”の意味
《名詞》
女中(じょちゅう)
他家や旅館などに住み込みで雑用などをする女性。
(context、dated)女性の敬称。
(出典:Wiktionary)
“女中”の解説
女中(じょちゅう、めちゅう)とは、家庭・旅館・料亭などにおいて、住み込みで働く女性の日本における歴史的呼称である。
(出典:Wikipedia)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“女中”で始まる語句
女中衆
女中部屋
女中頭
女中奉公
女中達
女中風