“其癖”の読み方と例文
読み方割合
そのくせ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
餅菓子店もちぐわしやみせにツンとましてる婦人をんななり。生娘きむすめそでたれいてか雉子きじこゑで、ケンもほろゝの無愛嬌者ぶあいけうもの其癖そのくせあまいから不思議ふしぎだとさ。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
手に提げた水入れの石油缶が邪魔で仕方がない。其癖そのくせ今朝からまだ一滴も口に入れないのだ。寒い位涼しいので水など少しも欲しくない。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
其癖そのくせ私は祖母を小馬鹿にしていた。何となく奥底が見透みすかされるから、祖母が何と言ったって、ちッとも可怕こわくない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)