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鍋下
と、
或お
客が
手を
叩く。……まあ
大いに
勉強をして、
娘が
用を
聞きに
行つた。——さうすると、そのお
客が、「
鍋下」を
持つて
來いと
言つた。
と、
其のきいちやんの
處へ
來て、
右の
鍋下だが、「
何だらう、きいちやん
知つてるかい。」と
矢張り
分らない
女房が
聞くと、これが
又「
知らない。」と
言ふ。
「はい。」と
言つて
引下つたが
分らない。
女房に、「
一寸鍋下を
持て
來い、と
言つたが
何だらう。」と。