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黒焦
中やすみの風が変って、火先が井戸端から
舐めはじめた、てっきり
放火の正体だ。見逃してやったが最後、直ぐに番町は
黒焦さね。
焼味噌のすこし
黒焦に成つたやつを茶漬茶椀かなんかに入れて、そこへ
熱湯を
注込んで、二三杯もやつて見給へ。大抵の風邪は
愈つて
了ふよ。
貝塚に於て
發見さるる獸骨貝殼の中には
往々黒焦げに焦げたるもの有り。是等は
恐らく
獸肉なり貝肉なり燒きて食はれたる殘餘ならん。
女中も
一荷背負つてくれようとする
處を、
其處が
急所だと
消口を
取つた
處から、
再び
猛然として
煤のやうな
煙が
黒焦げに
舞上つた。
渦も
大い。
幅も
廣い。