“矢來”の読み方と例文
新字:矢来
読み方割合
やらい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とほきそのむかしらず、いまのをとこは、牛込南榎町うしごめみなみえのきちやう東状ひがしざまはしつて、矢來やらいなかまるより、通寺町とほりてらまち肴町さかなまち毘沙門前びしやもんまへはしつて、みなみ神樂坂上かぐらざかうへはしりおりて
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
矢來やらいの酒井樣御下屋敷にまぎれ込んで、昨夜津志田樣の中間の半次が、宵のうちに來たか來なかつたかそれを訊いて貰ひたいよ。若し來たとしたら、何刻なんどきに來て何刻に歸つたか」
「あ、あれはね(按摩あんま)とつてね、矢來やらいぢや(いわしこ)とおんなじに不思議ふしぎなかはひるんだよ」「ふう」などと玄關げんくわん燒芋やきいもだつたものである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)