“眴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めくば31.0%
みまは24.1%
みまわ17.2%
みま6.9%
めくばせ6.9%
めま6.9%
うご3.4%
めまぜ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なんだい、あの音は」食事のはしを止めながら、耳に注意をあつめるしぐさで、行一は妻にめくばせする。クックッと含み笑いをしていたが
雪後 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
ぼんやりしたうめえだをのばしてつてるやうだ。あたりをみまはすとまつくらで、とほくのはうで、ほう、ほうツて、ぶのはなんだらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
院長いんちょう不覚そぞろあわれにも、また不気味ぶきみにもかんじて、猶太人ジウあといて、その禿頭はげあたまだの、あしくるぶしなどをみまわしながら、別室べっしつまでった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
看護員は犇々ひしひしとその身をようせる浅黄あさぎ半被はっぴ股引ももひきの、雨風に色褪いろあせたる、たとへば囚徒の幽霊の如き、数個すかの物体をみまはして、ひいでたるまゆひそめつ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
我たゞ微笑ほゝゑめるのみ、されどそのさまめくばせする人に似たれば、かの魂口を噤み、心のいとよくあらはるゝ處なる目を見て 一〇九—一一一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
直次郎は女へにこりと微笑ほほえみ、心配するなと云うめまぜをしながら伯父の後を追った。——勘兵衛は近寄ってくる甥の面前へ華鋏はなばさみを突出しながら
嫁取り二代記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この行事中余りに劇しく笞うたれて辛抱ならず、用事にかこつけ退き去るも構わねど、もし眼をうごかすなどすこしでも痛みに堪え得ぬしるしを見せると大いに嘲られ殊に婦女に卑しまると。
小浪は体いっぱいにはじらいを見せて、ちらと兵馬のほうへめまぜをした。
初午試合討ち (新字新仮名) / 山本周五郎(著)