内儀様かみさん)” の例文
旧字:内儀樣
何だなア、定さん、男の癖におい/\泣くのは止しねえ、お内儀様かみさんは女でこそあれ、あゝいう御気象だから、涙一滴こぼさぬで我慢を
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
粂「ヘエ……えゝ、お内儀様かみさんお嬢様が飛んだ事にお成りあそばしまして、さぞ御愁傷でござりましょう」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
飛んだにもなんにも魂消たまげてしまってね、お内儀様かみさんはハア年い取ってるだから愚痴イいうだ、花車は内に奉公をした者で、殊に角力になる時前の旦那様の御丹精もあるとねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の金を二十五両ぐらい取ったろう、こう吐すんだ、わっしは腹が立って堪らねえから、余程よっぽど殴りつけてやろうとは思ったけれども、おめえさん何うもね、お内儀様かみさんが御愁傷の中だから
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
旦那はわしが手引をして殺させました、其の申訳もうしわけの為に私は坊主になって旦那の追善供養を致しますといえば、お内儀様かみさん命乞いのちごいをして命だけは助けて遣るから、一角が殺したと云ってしまえよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此奴こいつうも、お内儀様かみさん此間こねえだお寺へ墓参はかめえりにふりいして麹屋へ行って証文ぶって来たてえ、此の阿魔こりゃアてねえ、えゝ内儀様かみさま、義理も人情も、あゝこれエ本当に何うも打てねえ阿魔だ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)