“のめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
31.7%
前倒14.6%
9.8%
4.9%
4.9%
4.9%
4.9%
2.4%
2.4%
2.4%
伏倒2.4%
2.4%
2.4%
傾倒2.4%
前屈2.4%
2.4%
2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最初のやうな、若しくはそれに類似した少し激しい震動が来るならば、いつでもぐしやりと地にのめしさうに思はれた。
余震の一夜 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ダガ、もう薬が廻ってきたのであろうか、体には全然力がなく、不甲斐なくも、その儘床に前倒のめってしまったのだ。
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
大勢おほぜいつてたかつておれを三つも四つものめしアがつて、揚句あげくのはてに突飛つきとばされたが、悪いところに石があつたので、ひざ摺剥すりむいて血が大層たいそう出るからのう……。
「あばれたにも何も、一体名代の代物しろものでごぜえしょう、そいつがおさん、盲目めくら滅法界に飛出したんで、はっと思う途端に真俯向まうつむけのめったでさ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立つ時は足に感覚がなくなつてゐて、危く前にのめらうとしたのを、これもフラフラしたお八重に抱きついて、互ひに辛さうな笑ひを洩らした。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
侍「イヽヤ勘弁相成らん、不埓至極の奴だ、往来の妨げをして、侍たる者の袴へコレ此の通り泥を附けて、拙者の折屈おりかゞみを突いたからのめったのだ、勘弁相成らんから八山やつやまへ参れ、斬殺ぶッぱなして遣るから」
馴れない方がウッカリ凭懸よりかかると、前の方にのめる事がありますよ。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
奪ひ取り行掛ゆきがけ駄賃だちんにしてくれんと獨り笑壺ゑつぼ入相いりあひかねもろともに江戸を立出たちいで品川宿の相摸屋へ上りのめうたへとざんざめきしが一寸ちよつとこに入り子刻こゝのつかね相※あひづに相摸屋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見て是は/\手厚てあつ土産みやげ何よりの好物かうぶつしか澤山たくさんめぐまれ千萬かたじけなし清兵衞貴樣の店の酒を飮では外の酒は一かうのめなに結構々々けつこう/\と大いによろこ直樣すぐさまさかな調理こしらへさけひら酒宴しゆえんにこそは及びけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と突飛ばすと、閑耕ののめった身体からだが、縁側で、はあはあ夢中になって体操のような手つきでいた英吉に倒れかかって、脚がからんでただよう処へ、チャブ台の鉢を取って、ばらり天窓あたまから豆を浴びせた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
のめるがごとく、主税がはたと両手を支いた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もよふせしがのめうたへと調子づき追々亂酒らんしゆになり夜に入ると雖も猶更に各自おの/\謠ひ淨瑠璃じやうるりにだみ聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のみながらもうこゝまで連て來れば此方こつちのものだまづをんな捨賣すてうりにしても年一ぱい五六十兩が物はある路用ろようも十兩や十五兩はあるに相違なし其外そのほか衣類いるゐ大小迄だいせうまでうばひとらば何でも小百兩の仕事だひさぶりで甘い酒がのめる悦べ/\といふこゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
兎も角も、お蔭さまで助かりますと、片肘かたひじに身を持たせて吸筒すいづつの紐をときにかかったが、ふッと中心を失って今は恩人の死骸の胸へ伏倒のめりかかった。如何にも死人しびとくさい匂がもうぷんと鼻に来る。
前伏まへぶしに、をとこひざせなのめつて、弱腰よわごし折重をりかさねた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのまま前のめりに転がった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
向脛むこうずね掻払かっぱらって、ぎゃっと傾倒のめらしてくれますわ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
間もなく、息せき切ったベエコンが、前屈のめるようにグリイン氏の室へ突き込まれて来た。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
よびとゞめ、熊に助られしとは珍説ちんせつ也語りて聞せ給へといひしに、主人あるじが前に在し茶盌ちやわんをとりてまづ一盃のめとて酒を満盌なみ/\とつぎければ
生憎あいにく大風が出て来て、たなご位のを三つ挙げた丈で、小一日暮らし、さて夕刻かえらうとすると、車は風に吹き飛ばされたと見え、脇の泥堀どぶの中へのめツてたです。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)