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踣
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のめ
ふりがな文庫
“
踣
(
のめ
)” の例文
『そんなでれ助だから君は駄目だよ』と突き飛ばしてやっても
突
(
つ
)
ん
踣
(
のめ
)
ったまゝ矢っ張りニコ/\していた。彼奴は余っ程馬鹿だよ
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
最初のやうな、若しくはそれに類似した少し激しい震動が来るならば、いつでもぐしやりと地に
踣
(
のめ
)
り
伏
(
ふ
)
しさうに思はれた。
余震の一夜
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
學生はスカを
喰
(
くら
)
ツて、前へ突ン
踣
(
のめ
)
ツたかと思ふと、
頭突
(
づつき
)
に一ツ、老爺の胸のあたりをどんと突く。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
遣
(
や
)
らじと
伸
(
の
)
べし
腕
(
かひな
)
は
逮
(
およ
)
ばず、
苛
(
いら
)
つて起ちし貫一は唯
一掴
(
ひとつかみ
)
と躍り
被
(
かか
)
れば、
生憎
(
あやにく
)
満枝が
死骸
(
しがい
)
に
躓
(
つまづ
)
き、一間ばかり投げられたる
其処
(
そこ
)
の敷居に
膝頭
(
ひざがしら
)
を砕けんばかり強く打れて、
踣
(
のめ
)
りしままに起きも得ず
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
はッと思って見ると、血がだらだらと暑い夕日に
彩
(
いろど
)
られて、その兵士はガックリ前に
踣
(
のめ
)
った。胸に弾丸があたったのだ。その兵士は善い男だった。快活で、
洒脱
(
しゃだつ
)
で、何ごとにも気が置けなかった。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
「つん
踣
(
のめ
)
っても構やしません。」
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葉子は見えも外見もなく、
擽
(
くすぐ
)
ったそうに苦笑するのだったが、そうなると彼女も清川によって、
無慚
(
むざん
)
に路傍に
叩
(
たた
)
き
踣
(
のめ
)
された花束のようなものであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
一人の男が、尾を振っている犬に近づいて何か与えたと思うと、背後に
匿
(
かく
)
し持っていた棒でガクンとやった。犬は
踣
(
のめ
)
った。犬殺は幾つも続けさまに撲った。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
すでに幾度も苦い
汁
(
しる
)
を
呑
(
の
)
ませられた庸三の警戒の目の下に、やり場のない魂の
疼
(
うず
)
きを忍ばせている彼女は、すでにこの恋愛の前にすっかり打ち
踣
(
のめ
)
されていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「大いに将来を
戒
(
いまし
)
めてやったよ。『君は日本の最高学府で教育を受けて而もボートの
選手
(
チャン
)
だったじゃないか?
田夫野人
(
でんぷやじん
)
の車掌に打ち
踣
(
のめ
)
されて口惜しくはないか?』ってね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
今日
(
こんち
)
は、葬儀社でござい」等と言えば叩き
踣
(
のめ
)
される危険がある。そこで土屋君も露骨には答え兼ねて
旁〻
(
かたがた
)
多少の
箔
(
はく
)
をつけるために、日頃取引関係のある陸軍を担ぎ出したのだ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
徒
(
いたず
)
らに頭ばかり重いので、前に
踣
(
のめ
)
って肩を突き、いかに大病であったかを、今更感ずるのだったが、やがて
室
(
へや
)
へ
盥
(
たらい
)
をもち込み、手首や足をそっと洗うほどになり、がくつく足で
段梯子
(
だんばしご
)
を降り
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
自分の尻尾を
咬
(
か
)
もうとして
足掻
(
あが
)
くから、
独楽
(
こま
)
のように廻る。校長が慌てゝ、こら/\/\と叱ったけれど、止まらない。皆笑ったぜ。然う/\、女の先生が怺え切れなくなって、
踣
(
のめ
)
ってしまった
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「私の乗っていた前の馬車がこの先で谷へ
踣
(
のめ
)
り落ちましたよ」
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「こんなことなら、あの時打ち
踣
(
のめ
)
してやるんでした」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と褞袍の一人は押すより早く足を掬われて
踣
(
のめ
)
った。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と清君は床下へ
踣
(
のめ
)
り込まないばかりに覗き込む。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
千吉君は不意を
食
(
くら
)
って
踣
(
のめ
)
ったまゝ
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
踣
部首:⾜
15画
“踣”を含む語句
前踣
打踣
撃踣
踏踣
踣込