のめ)” の例文
其重苦しい沈默の中に、何か怖しい思慮が不意に閃く樣に、此のトッぱずれのめりかゝつた家から、時時パッと火花が往還に散る。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
大勢おほぜいつてたかつておれを三つも四つものめしアがつて、揚句あげくのはてに突飛つきとばされたが、悪いところに石があつたので、ひざ摺剥すりむいて血が大層たいそう出るからのう……。
夜は更けたが、寒さに震えるのではない、骨まで、ぐなぐなに酔っているので、ともするとのめりそうになるのを、路傍みちばたの電信柱の根にすがって、片手ふかしに立続ける。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其重苦しい沈黙だんまりの中に、何か怖しい思慮かんがへが不意に閃く様に、北のトツぱづれのめりかかつた家から、時々パツと火花が往還に散る。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
凸凹でこぼこ石高路いしだかみち、その往還を右左から挾んだ低い茅葺屋根が、およそ六七十もあらう、の家も、何の家も、古びて、穢くて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々にのめり合つて辛々やうやう支へてる様に見える。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
凹凸でこぼこ石高路いしだかみち その往還を左右から挾んだ低い茅葺屋根が、凡そ六七十もあらう。の家も、何の家も、古びて、穢なくて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々にのめり合つて辛々やう/\支へてる樣に見える。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ドタリとお由がのめつた音。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ドタリとお由がのめつた音。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)