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のめ
奪ひ取り
行掛の
駄賃にして
呉んと獨り
笑壺に
入相の
鐘諸ともに江戸を
立出で品川宿の相摸屋へ上り
飮や
唄へとざんざめきしが
一寸と
床に入り
子刻の
鐘を
相※に相摸屋を
見て是は/\
手厚き
土産何よりの
好物然も
澤山に
惠まれ千萬
忝けなし清兵衞貴樣の店の酒を飮では外の酒は一
向飮ぬ
何も
結構々々と大いに
悦び
直樣肴を
調理酒を
開き
酒宴にこそは及びけれ
飮に御出なさるが
誠に氣さくな御人にて我等の所の酒を飮では外の
店のは
飮ないとて御
宅で
飮る時には御弟子衆に五升三升づつ取に御
遣しなさる實に古今の酒好先生なりと
兄弟噂を
爲居たり