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倍
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ばい
ふりがな文庫
“
倍
(
ばい
)” の例文
えゝも、
乳母
(
うば
)
めは
跛足
(
ちんば
)
ぢゃ!
戀
(
こひ
)
の
使者
(
つかひ
)
には
思念
(
おもひ
)
をこそ、
思念
(
おもひ
)
は
殘
(
のこ
)
る
夜
(
よる
)
の
影
(
かげ
)
を
遠山蔭
(
とほやまかげ
)
に
追退
(
おひの
)
ける
旭光
(
あさひ
)
の
速
(
はや
)
さよりも十
倍
(
ばい
)
も
速
(
はや
)
いといふ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
とりわけ
左
(
ひだり
)
の手が
右
(
みぎ
)
の手より四
寸
(
すん
)
も
長
(
なが
)
かったものですから、
並
(
な
)
みの二
倍
(
ばい
)
もある
強
(
つよ
)
い
弓
(
ゆみ
)
に、二
倍
(
ばい
)
もある
長
(
なが
)
い
矢
(
や
)
をつがえては
引
(
ひ
)
いたのです。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それは、
普通
(
ふつう
)
のほたるよりも
大
(
おお
)
きさが二
倍
(
ばい
)
もあって、
頭
(
あたま
)
には、二つの
赤
(
あか
)
い
点
(
てん
)
がついていましたが、
色
(
いろ
)
は、ややうすかったのであります。
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一
風呂
(
ふろ
)
浴
(
あ
)
びて
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れゆけば
突
(
つき
)
かけ
下駄
(
げた
)
に七五三の
着物
(
きもの
)
、
何屋
(
なにや
)
の
店
(
みせ
)
の
新妓
(
しんこ
)
を
見
(
み
)
たか、
金杉
(
かなすぎ
)
の
糸屋
(
いとや
)
が
娘
(
むすめ
)
に
似
(
に
)
て
最
(
も
)
う一
倍
(
ばい
)
鼻
(
はな
)
がひくいと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで、急ぎの客は、賃銀を
倍
(
ばい
)
出
(
だ
)
して、二人の人力曳にひいてもらうのであった。巳之助に先綱曳を頼んだのも、急ぎの避暑客であった。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
オーラのおとうさんとしては、じぶんが
親
(
おや
)
からもらった
土地
(
とち
)
を、子どもには、
倍
(
ばい
)
にして
残
(
のこ
)
してやりたいと思っていたからです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
他人
(
ひと
)
に
倍
(
ばい
)
して
忙
(
せは
)
しい
勘次
(
かんじ
)
がだん/\に
減
(
へ
)
りつゝある
俵
(
たわら
)
の
内容
(
ないよう
)
を
苦
(
く
)
にして
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
をしつゝ
戸口
(
とぐち
)
を
出入
(
でいり
)
するのを
卯平
(
うへい
)
は
見
(
み
)
るのが
厭
(
いや
)
で
且
(
かつ
)
辛
(
つら
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「で、ついに、
毒水
(
どくみず
)
を
食
(
く
)
らわなかった。水を食らえば体重は
倍
(
ばい
)
の上にもなるゆえ、けっして、いくら
大鷲
(
おおわし
)
でもくわえて飛べたものじゃない」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四六
版
(
ばん
)
から四六
倍
(
ばい
)
の雑誌に
移
(
うつ
)
る
迄
(
まで
)
には
大分
(
だいぶ
)
沿革
(
えんかく
)
が有るのですが、今は
能
(
よ
)
く覚えません、
印刷所
(
いんさつじよ
)
も
飯田町
(
いひだまち
)
の
中坂
(
なかさか
)
に
在
(
あ
)
る
同益社
(
どうえきしや
)
と
云
(
い
)
ふのに
易
(
か
)
へて
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
心に目しるしをして家にかへり
親
(
おや
)
にもかたりてよろこばせ、次のあした
皮
(
かは
)
を
剥
(
はぐ
)
べき用意をなしてかしこにいたりしに
胆
(
きも
)
は常に
倍
(
ばい
)
して大なりしゆゑ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そのうちに
夜
(
よる
)
もなかばになつたと
思
(
おも
)
ふと、
家
(
いへ
)
のあたりが
俄
(
にはか
)
にあかるくなつて、
滿月
(
まんげつ
)
の
十
(
じつ
)
そう
倍
(
ばい
)
ぐらゐの
光
(
ひかり
)
で、
人々
(
ひと/″\
)
の
毛孔
(
けあな
)
さへ
見
(
み
)
えるほどであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
たいてい自分の
望
(
のぞ
)
む
種子
(
たね
)
さえ
播
(
ま
)
けばひとりでにどんどんできます。米だってパシフィック
辺
(
へん
)
のように
殻
(
から
)
もないし十
倍
(
ばい
)
も大きくてにおいもいいのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
周圍
(
しうゐ
)
のざわつく
中
(
なか
)
に
默然
(
もくねん
)
として、
他
(
ひと
)
の
倍
(
ばい
)
も三
倍
(
ばい
)
も
時
(
とき
)
を
過
(
す
)
ごした
如
(
ごと
)
くに
感
(
かん
)
じた
末
(
すゑ
)
、
遂
(
つひ
)
に
坐
(
すわ
)
り
切
(
き
)
れずに
席
(
せき
)
を
立
(
た
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
火星の
表面
(
へうめん
)
は地
球
(
きう
)
の
引力
(
いんりよく
)
の五
分
(
ぶん
)
ノ二しかない だから人は地球にゐるときより二
倍
(
ばい
)
半は高く
飛
(
と
)
べるが しかし、それ
以上
(
いじやう
)
高くは飛べるはずがないのぢや
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
放
(
はな
)
し
遊興
(
いうきよう
)
は日頃に十
倍
(
ばい
)
仕たりける是に依て
神主
(
かんぬし
)
共五百餘人
集會
(
あつまり
)
榊
(
さかき
)
の枝に四手を切
掛
(
かけ
)
て種々と義長の
惡逆
(
あくぎやく
)
を申立て彼を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして思い切って
残
(
のこ
)
りの五十スーでろうそくを買うと、それを半分に切って、明かりを二
倍
(
ばい
)
に使うくふうをした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
と
云
(
い
)
って、
出
(
で
)
て
行
(
い
)
ってくれ、
黙
(
だま
)
っていてくれとは
彼
(
かれ
)
には
言
(
い
)
われぬので、じっと
辛抱
(
しんぼう
)
している
辛
(
つら
)
さは一
倍
(
ばい
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
つれてきたときより三
倍
(
ばい
)
も大きくなり、夜はよく家の
番
(
ばん
)
をし、
昼間
(
ひるま
)
は林太郎のいうことをよく聞いて、いっしょにふざけながら遊んでもおしっこをもらしたり
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
かれは、そのすがたでからだの三
倍
(
ばい
)
もありそうなのぼりをになって、
楽隊
(
がくたい
)
のまっ先をいせいよく進んだ。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
また味加減をつけるにも、例の
口喧
(
くちやかま
)
しい伯の事とて
他
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
講釈はするが、舌は正直なもので、何でも
鹹
(
しよ
)
つぱくさへして置けば恐悦して
舌鼓
(
したつゞみ
)
を打つてゐるといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
少し気が
落着
(
おちつ
)
いてくると、おそろしさと
不安
(
ふあん
)
とが、前の二
倍
(
ばい
)
になって自分の
胸
(
むね
)
におしよせてきた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
そのためにかえって
今
(
いま
)
自分
(
じぶん
)
とり
囲
(
かこ
)
んでいる
幸福
(
こうふく
)
を
人
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
楽
(
たの
)
しむ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るからです。
御覧
(
ごらん
)
なさい。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私
(
わたくし
)
も
此
(
この
)
小
(
ちい
)
さい
魚
(
うを
)
を百
倍
(
ばい
)
にも
二百倍
(
にひやくばい
)
にもする
工夫
(
くふう
)
の
無
(
な
)
いでもない、よし
此
(
この
)
小鰺
(
こあぢ
)
で、あの
巨大
(
おほき
)
な
沙魚
(
ふか
)
を
釣
(
つ
)
つてやらうと
考
(
かんが
)
へたので、
少年
(
せうねん
)
に
語
(
かた
)
ると
少年
(
せうねん
)
も
大賛成
(
だいさんせい
)
、
勿論
(
もちろん
)
釣道具
(
つりどうぐ
)
は
無
(
な
)
いが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もうずいぶん
前
(
まえ
)
から、そこのところがわからないで
頭
(
あたま
)
を
悩
(
なや
)
ましていたのでした。六の六
倍
(
ばい
)
は三十六だといわれても、それは三十六の
椅子
(
いす
)
なのか、三十六の
胡桃
(
くるみ
)
なのかわからないのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
渋茶
(
しぶちゃ
)
の
味
(
あじ
)
はどうであろうと、おせんが
愛想
(
あいそう
)
の
靨
(
えくぼ
)
を
拝
(
おが
)
んで、
桜貝
(
さくらがい
)
をちりばめたような
白魚
(
しらうお
)
の
手
(
て
)
から、お
茶
(
ちゃ
)
一
服
(
ぷく
)
を
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
されれば、ぞっと
色気
(
いろけ
)
が
身
(
み
)
にしみて、
帰
(
かえ
)
りの
茶代
(
ちゃだい
)
は
倍
(
ばい
)
になろうという。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
乃
(
すなは
)
ち
其
(
その
)
(四九)
歩軍
(
ほぐん
)
を
棄
(
す
)
て、
其
(
その
)
(五〇)
輕鋭
(
けいえい
)
と、
(五一)
日
(
ひ
)
を
倍
(
ばい
)
し
行
(
かう
)
を
并
(
あは
)
せて
之
(
これ
)
を
逐
(
お
)
へり。
孫子
(
そんし
)
、
其行
(
そのかう
)
を
度
(
はか
)
るに、
暮
(
くれ
)
に
當
(
まさ
)
に
馬陵
(
ばりよう
)
に
至
(
いた
)
るべし。
馬陵
(
ばりよう
)
は
道
(
みち
)
狹
(
せま
)
くして
旁
(
かたは
)
ら
(五二)
阻隘
(
そあい
)
多
(
おほ
)
く、
兵
(
へい
)
を
伏
(
ふく
)
す
可
(
べ
)
し。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ざつと三十三
間堂
(
けんだう
)
の
佛
(
ほとけ
)
の
數
(
かず
)
の十
倍
(
ばい
)
と
見積
(
みつも
)
つたんさ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
その明くる日からは例年に
倍
(
ばい
)
する大漁でした。
中国怪奇小説集:09 稽神録(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
身
(
み
)
一つと
思
(
おも
)
へば
恨
(
うら
)
みも
出
(
で
)
る、
何
(
なん
)
の
是
(
こ
)
れが
世
(
よ
)
の
勤
(
つと
)
めなり、
殊
(
こと
)
には
是
(
こ
)
れほど
身
(
み
)
がらの
相違
(
さうゐ
)
もある
事
(
こと
)
なれば
人
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
の
苦
(
く
)
もある
道理
(
だうり
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
だが、こういう事業にたいしては、人一
倍
(
ばい
)
の熱をもつ蛾次郎である。たちまち一
策
(
さく
)
をあんじだして、蕎麦まんじゅうの
曲取
(
きょくど
)
りをやりはじめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
北海
(
ほっかい
)
の
上
(
うえ
)
ばかりでも、
幾
(
いく
)
ひきの
子供
(
こども
)
をなくしたあざらしがいるかしれない。しかし、おまえは、
子供
(
こども
)
にやさしいから一
倍
(
ばい
)
悲
(
かな
)
しんでいるのだ。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
心に目しるしをして家にかへり
親
(
おや
)
にもかたりてよろこばせ、次のあした
皮
(
かは
)
を
剥
(
はぐ
)
べき用意をなしてかしこにいたりしに
胆
(
きも
)
は常に
倍
(
ばい
)
して大なりしゆゑ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
藏
(
くら
)
の
中
(
なか
)
から
大事
(
だいじ
)
さうに
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して
來
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
所作
(
しよさ
)
を
付
(
つ
)
け
加
(
くは
)
へて
考
(
かんが
)
へると、
自分
(
じぶん
)
が
持
(
も
)
つてゐた
時
(
とき
)
よりは
慥
(
たしか
)
に十
倍
(
ばい
)
以上
(
いじやう
)
貴
(
たつ
)
とい
品
(
しな
)
の
樣
(
やう
)
に
眺
(
なが
)
められた
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
体
(
からだ
)
の
重
(
おも
)
みが六十四
斤
(
きん
)
もあって、
怒
(
おこ
)
って
力
(
ちから
)
をうんと
入
(
い
)
れると、その四
倍
(
ばい
)
も
重
(
おも
)
くなるといわれていました。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
普通
(
ふつう
)
中学校などに
備
(
そな
)
え
付
(
つ
)
けてある
顕微鏡
(
けんびきょう
)
は、
拡大度
(
かくだいど
)
が六百
倍
(
ばい
)
乃至
(
ないし
)
八百倍ぐらいまでですから、
蝶
(
ちょう
)
の
翅
(
はね
)
の
鱗片
(
りんぺん
)
や
馬鈴薯
(
ばれいしょ
)
の
澱粉粒
(
でんぷんりゅう
)
などは
実
(
じつ
)
にはっきり見えますが
手紙 三
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と
云
(
い
)
つて、
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れ、
默
(
だま
)
つてゐて
呉
(
く
)
れとは
彼
(
かれ
)
には
言
(
い
)
はれぬので、
凝
(
じつ
)
と
辛抱
(
しんばう
)
してゐる
辛
(
つら
)
さは一
倍
(
ばい
)
である。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしたちは
雌牛
(
めうし
)
をキッスしたり、雌牛からキッスされて感じるゆかいさを人一
倍
(
ばい
)
感じるわけがあった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
從來
(
これまで
)
に
倍
(
ばい
)
して
居
(
ゐ
)
るのと
殆
(
ほとん
)
ど
復
(
また
)
拒絶
(
きよぜつ
)
されるのではないかといふ
懸念
(
けねん
)
を
懷
(
いだ
)
きつゝある
與吉
(
よきち
)
は
何時
(
いつ
)
でも
其
(
それ
)
に
非常
(
ひじやう
)
な
滿足
(
まんぞく
)
を
表
(
あら
)
はした。
其
(
その
)
容子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
る
卯平
(
うへい
)
は
勢
(
いきほ
)
ひ
心
(
こゝろ
)
が
動
(
うご
)
かされた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
尤
(
もつと
)
も
画家
(
ゑかき
)
などいふものは、無駄口と
同情
(
おもひやり
)
は
他
(
ひと
)
一
倍
(
ばい
)
持合せてゐる癖に、金といつては
散銭
(
ばらせん
)
一つ持つてない
輩
(
てあひ
)
が多いが、さういふ
輩
(
てあひ
)
は財布を
開
(
あ
)
ける代りに、青木氏を自分の
宅
(
うち
)
に連れ込んで
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
が
幾年月
(
いくねんげつ
)
の
間
(
あひだ
)
苦心
(
くしん
)
に
苦心
(
くしん
)
を
重
(
かさ
)
ねたる
結果
(
けつくわ
)
、
或
(
ある
)
秘密
(
ひみつ
)
なる十二
種
(
しゆ
)
の
化學藥液
(
くわがくやくえき
)
の
機密
(
きみつ
)
なる
分量
(
ぶんりよう
)
の
化合
(
くわごう
)
は、
普通
(
ふつう
)
の
電氣力
(
でんきりよく
)
に
比
(
ひ
)
して、
殆
(
ほと
)
んど三十
倍
(
ばい
)
以上
(
いじやう
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なる
作用
(
さよう
)
を
起
(
おこ
)
す
事
(
こと
)
を
發見
(
はつけん
)
し
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「わたしはね、ふつう
屠殺台
(
とさつだい
)
につれていかれる牛よりも、
倍
(
ばい
)
も年をとっているんですよ。でも、もうあのおくさんにめんどうをみてもらえないんなら、生きていたいとも思いません。」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
拾号
(
じふがう
)
からは
又
(
また
)
大いに
躰裁
(
ていさい
)
を
改
(
あらた
)
めて(十月
廿
(
にぢう
)
五日
出版
(
しゆつぱん
)
)
頁数
(
ページすう
)
を
倍
(
ばい
)
にして、
別表紙
(
べつびやうし
)
を
附
(
つ
)
けて、
別摺
(
べつずり
)
の
挿画
(
さしゑ
)
を二
枚
(
まい
)
入れて、
定価
(
ていか
)
を十
銭
(
せん
)
に上げました、表紙は
朱摺
(
しゆずり
)
の
古作者印譜
(
こさくしやいんぷ
)
の
模様
(
もやう
)
で、
形
(
かたち
)
は四六
倍
(
ばい
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
風に
揉
(
もま
)
れて暮したり
漸
(
やうや
)
く五日の
申
(
さる
)
の
下刻
(
げこく
)
に及び少し風も
靜
(
しづ
)
まり浪も
稍
(
やゝ
)
穩
(
おだや
)
かに成ければ
僅
(
わづ
)
かに
蘇生
(
そせい
)
の心地して
悦
(
よろこ
)
びしが間もなく其夜の
初更
(
しよかう
)
に再び
震動
(
しんどう
)
雷電
(
らいでん
)
し
颶風
(
ぐふう
)
頻
(
しき
)
りに
吹起
(
ふきおこ
)
り以前に
倍
(
ばい
)
して
強
(
つよ
)
ければ
船
(
ふね
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火星のは 地球のの千
倍
(
ばい
)
も大きいのを使つてゐます
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
合図
(
あいず
)
の狼煙! それは一
倍
(
ばい
)
ものすごい
響
(
ひび
)
きをもって、
寒松院
(
かんしょういん
)
の
並木
(
なみき
)
にいる、
伊那丸
(
いなまる
)
、
忍剣
(
にんけん
)
、龍太郎の耳へまでつんざいていったことは
必定
(
ひつじょう
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狐
(
きつね
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えなくなったと
思
(
おも
)
うと、また
向
(
む
)
こうの
森
(
もり
)
の中で、
先
(
せん
)
よりも三
倍
(
ばい
)
も四
倍
(
ばい
)
もさわがしい
人声
(
ひとごえ
)
がしました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
其
音
(
おと
)
が次第に近付いて孟宗藪の
下
(
した
)
を通るときには、前の列車より
倍
(
ばい
)
も
高
(
たか
)
い
音
(
おと
)
を立てゝ
過
(
す
)
ぎ去つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我が
若年
(
ぢやくねん
)
のころは鮏あまたとれたるゆゑその
価
(
あたひ
)
もいやしかりしが、近年は
捕
(
とり
)
うる事
少
(
すくな
)
きゆゑ価もおのづからむかしに
倍
(
ばい
)
せり。年々
工
(
たくみ
)
を
新
(
あらた
)
にして
漁
(
れふ
)
するゆゑ捕
減
(
へら
)
したるならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
僕はまず
立派
(
りっぱ
)
な
軍艦
(
ぐんかん
)
の絵を書くそれから水車のけしきも書く。けれども早く
耗
(
へ
)
ってしまうと
困
(
こま
)
るなあ、こう考えたときでした鉛筆が
俄
(
にわ
)
かに
倍
(
ばい
)
ばかりの長さに
延
(
の
)
びてしまいました。
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
去歳
(
こぞ
)
にくらべて
長屋
(
ながや
)
もふゑたり、
所得
(
しよとく
)
は
倍
(
ばい
)
にと
世間
(
せけん
)
の
口
(
くち
)
より
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
の
樣子
(
やうす
)
を
知
(
し
)
りて、をかしやをかしや、
其
(
その
)
やうに
延
(
の
)
ばして
誰
(
た
)
が
物
(
もの
)
にする
氣
(
き
)
ぞ、
火事
(
くわじ
)
は
燈明皿
(
とうめうざら
)
よりも
出
(
で
)
る
物
(
もの
)
ぞかし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“倍”の解説
倍(ばい)は、数学上の概念であるが、その定義は東洋数学と西洋数学では異なっている。
東洋…(いずれも 0 でない)自然数 m と n に対して、m に同一量 m を n 個分加えた数(m × (n + 1)を求める)。
西洋…(いずれも 0 でない)自然数 m と n に対して、m を n 個分加えた数(m × n を求める、即ち乗法である)。
(出典:Wikipedia)
倍
常用漢字
小3
部首:⼈
10画
“倍”を含む語句
十倍
安倍貞任
安倍晴明
安倍川
分倍河原
倍々
幾十倍
二倍
阿倍川
數十倍
安倍氏
安倍
幾倍
安倍能成
一倍
安倍泰親
助倍
倍増
安倍仲麿
幾層倍
...