“去歳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぞ91.3%
きょさい4.3%
さるとし4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの敏感な市川が我と我身の青春にえないかのように、「されど去歳こぞの雪やいづこに」と吟誦ぎんしょうして聞かせた時の声はまだ岸本の耳の底にあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
既に去歳きょさい木下杢太郎きのしたもくたろう氏は『芸術』第二号において小林翁の風景版画に関する新研究の一端いったんを漏らされたが、氏は進んで翁の経歴をたずねその芸術について更に詳細なる研究を試みられるとの事である。
去歳さるとしわが病伏やみふしける折日々にちにち看護にきたりしより追々に言葉もかけ給ふやうになりてひそかにその立居たちい振舞を見たまひけるが、癇癖かんぺき強く我儘なるわれにつかへて何事も意にさからはぬ心立こころだての殊勝なるに加へて
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)