“痴”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
38.1%
ばか14.4%
たわ13.6%
おろか8.5%
6.8%
こけ5.1%
うつ2.5%
1.7%
しれ1.7%
たわけ1.7%
(他:7)5.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“痴”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩28.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.4%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
酔ひれて、廊下をふらり、ふらりよろめき歩き、面白がつて眺めてゐる軍治に、卑猥な指の作り方をして見せる男もあつた。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
彼女は、二つの世界の境界を、はっきりとまたぎ越えて、やがて訪れるであろう恋愛の世界に、身も世もなく酔いれるのだった。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「おい、何か云わないのか、俺だちが義侠心ぎきょうしんを出して、家庭を粛正してやろうとしてることが判らないのか、ばか
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
政雄はその日からばかのようになって雑貨店の二階に寝ていたが、十日位してやっと精神が平常もとふくして来た。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼女は、今はもう眠りのことより他に何の思慮もなくたわけて脚どりも怪しい夫を目醒すために手をとつて、駈け回つた。
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
多摩川で試乗なされた節吹矢で射られたということじゃ。……いずれ大鳥と間違えて功名顔に射たのであろう世間にはたわけた奴がある。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なみだとどめあへぬはおろかじゃう自然しぜんなれども、理性りせいまなこからは笑草わらひぐさでござるぞよ。
おろかながらも姓名だけは四郎も知って居りましたので、老人の側へ坐わり乍ら斯う無邪気に云ったものです。
天草四郎の妖術 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これよりは騒ぐことはなけれど、精神の作用はほとんど全く廃して、そのなること赤児の如くなり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
東西南北四門のうちの一門だけには、人間的な愚も見せ、も示し、時にはぼんやりも露呈している。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山木はこけのように口を開いて茫失していたが、やがて眼性の悪い細い瞼の間からポロポロ涙をこぼしながら力任せに踏絵を抱きしめ、
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それを言うのもまた、実に、てれくさくて、かなわぬのだが、私はこけの一念で、そいつを究明しようと思う。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
その時はもう、接吻の長さだけ気になる、ぼくは、うつけさでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
さがさへも、うつけたる空虚うつろに病みぬ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
小さな身体からだから、あらん限りの大きな声をゆすり出して笑いけ初めた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
聴かざったとあれば、教えて進ぜよう。鷲塚の佐助どんみたいな、アバタ面の子を生むがええわい、と、こう言ったのじゃ。あはは……。想えばげすの口の端に、掛って知った醜さは、南蛮渡来の豚ですら、見れば反吐をば吐き散らし、千曲川岸の河太郎も、頭の皿に手を置いて、これはこれはと呆れもし、鳥居峠の天狗さえ、鼻うごめいて笑うという、この面妖な旗印、六尺豊かの高さに掲げ、臆面もなく白昼を振りかざしてけの沙汰。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
卒然として事を做して赫然として功有らんことを欲するは、卑き男のしれたる望みならずや。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
正覚坊しやうがくばうしれごこち、日をぎながら
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
お糸の方と手を括りあわされ、満座のなかで馬鹿舞を舞わされた沙汰さたのかぎりのたわけ加減を聞かされたら、腹を立てずにはいられまい。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「何をたわけ! 迂濶者めが! お師匠の一大事心付かぬか! おろせおろせ! えい戸を開けい」
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「関白の説明汝に聞こうか! 地下侍じげざむらいの分際で、おこがましいことは云わぬがよい。ここに居られるのは殿下の寵臣、不破小四郎行春様だ。廻国風のその娘に、用あればこそ手をかけたのだ! じゃま立てするからにはようしゃはしない、おのれ犬のように殺してくれよう!」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「恐れ入りまする——かかるおろかしきすがたを御覧に入れまして——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あまりお言葉がうるわしゅう響きますほどに、わたくしのようなおろかなものは、とかくそのままに思い込みますと、どのようなことになるかわかりませぬ——御戯おたわむれは、大がいになされて下さりませ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
悩みよ、恐れよ、憂さよ、このたはれ心よ、夢よ——消えて、花となれの切ない憧れであつた。
真夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
うづた死屍しかばねうへを×(14)つかれてすゝんだ
彼は、もう一人の牝豚夫人めぶたふじんというねたまれものと、切るに切られぬ醜関係を生じてしまったのだった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
踊りほうけていた。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
二歳ふたつ年齡としから十六歳じふろくになるまで何度見たか知れないこの海を、わたしは畢竟ウヂケデ空虚ボヤラと見て居たのだ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)