うつ)” の例文
旧字:
帰りには、チャイニイズ・グロオマン劇場で、オニイルの奇妙な幕間狂言ストレンジ・インタアルウドという映画の封切ふうきりに招待されました。その時はもう、接吻の長さだけ気になる、ぼくは、うつけさでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
わざわざ御自身でおいでくだされて、あのうつけ者を婿養子むこようしにとのお言葉さえあるに、恐れ入ったただいまの御仕儀ごしぎ。これが尋常よのつねの兄じゃ弟じゃならば、当方は蔵前取りで貴殿は地方じがただ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さがさへも、うつけたる空虚うつろに病みぬ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)