“痴者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しれもの50.0%
たわけもの13.6%
ちしゃ13.6%
ばかもの9.1%
おろかもの4.5%
たわけ4.5%
ちしや4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
外から誰でもわし達を見る人があつたなら、其人はわし達を神の僧侶と思ふよりは寧ろ涜神の痴者しれもの経帷子きやうかたびらを盗む者と思つたに相違ない。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
「爪立ちするは大人の智恵じゃわい! 何んの童子が爪立とうぞ! 痴者たわけものめが! 愚か者めが!」
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
伊東入道のじょ八重姫に恋なされたかと思えば、亀の前に移り、北条殿の深窓へも文を通わされる。……何たる痴者ちしゃ。……傍目はためにすら、舌打ちが出る。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨夜ゆうべ、お朋友ともだちの家でがはじまって、朝まで打ち続けてやっと帰ったところです、文学者なんて云う奴は、皆痴者ばかものの揃いですからね、……そこに蒲団ふとんがある、って敷いてください)
水郷異聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
終日鋤き返しすき返しまた元にかへる如く、われら痴者おろかものよ、同じ思ひをひねもす語る……
乾あんず (新字旧仮名) / 片山広子(著)
「あら、そうかしら。……でも、花子がやったのにちがいないんだろう。あんな大痴者たわけだから、もうとっくにとっ捕まっているにきまってる」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
痴者ちしやが衣服の焼け穴をいぢるやうに、猿が疵口きずくちを気にするやうに、段〻と悪いところを大きくして、散〻な事になつたが、いやに賢く狡滑かうくわつなものは、自分の生命を抛出なげだして闘ふといふことをせずに
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)