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痴者
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しれもの
ふりがな文庫
“
痴者
(
しれもの
)” の例文
外から誰でもわし達を見る人があつたなら、其人はわし達を神の僧侶と思ふよりは寧ろ涜神の
痴者
(
しれもの
)
が
経帷子
(
きやうかたびら
)
を盗む者と思つたに相違ない。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
是が彼の最初の失敗で、学校側の人達は佐藤を忘恩の
痴者
(
しれもの
)
と
詈
(
ののし
)
った。斯ういう悪声は
漸
(
ぜん
)
を追うて一般に拡がるものである。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あるじに断りもなく手折りかかるような
痴者
(
しれもの
)
は、その罰で
猪弾
(
ししだま
)
でも
食
(
くら
)
って命を落すのが当然の行きどころ。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
玄竜は
痴者
(
しれもの
)
のように坐って気味悪げににたにた笑ってばかりいたが、その時ほんの少しの意識のかけらでも閃いたのであろうか、怪訝そうに首を長くして質ねた。
天馬
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
云うなッ、どこ
嘯
(
うそぶ
)
いて左様な白々しい
音
(
ね
)
が出るのじゃ。汝こそ縁談を退けられたを意趣に含み、大切な娘を
誘拐
(
かどわ
)
かさんと致した不敵な
痴者
(
しれもの
)
、その手先に働く木ッ葉どもを
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
だが待ちたまえ、あれへ来六屋が逃げてまいる、この
痴者
(
しれもの
)
はどさくさまぎれに法廷をぬけ出し、雲を
霞
(
かすみ
)
と逃亡でござる、それ走れ、もうひと息、——彼は濠を渡り申した。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
おめおめと女の尻にしかれてるやうな
痴者
(
しれもの
)
は一人のこらず死刑にしてやるんだが……。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「今夕から総がかりをかけて、あの
有頂天
(
うちょうてん
)
な
痴者
(
しれもの
)
どもを、ひとり残らず洛中から追ッ払え」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
欲
(
ねが
)
ひの刑を選ぶべし!⦆かく宣まへばやや暫し、イワンは刑を打ち案じ、思案にくれてゐたりしが、やがて答へて申すやう、⦅
実
(
げ
)
にやこれなる悪人は、いと大いなる害毒をわれに与へし
痴者
(
しれもの
)
なり。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
フ、フ、フ、不愍の
痴者
(
しれもの
)
、ここまで誘き寄せられたか。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「屋敷内にさような
痴者
(
しれもの
)
が居ると思うか」
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「悪逆無道の
痴者
(
しれもの
)
として、三条河原へ
晒
(
さら
)
すのよ」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“痴者”の意味
《名詞》
痴者(ちしゃ)
愚か者
(出典:Wiktionary)
痴
常用漢字
中学
部首:⽧
13画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“痴”で始まる語句
痴
痴呆
痴漢
痴人
痴情
痴愚
痴話
痴戯
痴態
痴言