“おこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オコ
語句割合
32.4%
21.4%
12.7%
9.4%
烏滸5.6%
5.1%
4.2%
1.7%
0.9%
0.6%
忿0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
嗚呼0.4%
0.3%
0.2%
御子0.2%
御越0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
叩起0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
提起0.1%
烏許0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
興隆0.1%
起因0.1%
0.1%
開墾0.1%
鳴滸0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあそうおこらないで、連れていって下さいよ、僕は新聞記者の佐々砲弾さっさほうだんてぇんです。僕一人ぐらい、なんでもないじゃないですか」
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
僕はおかあさんをおこそうかとちょっと思いましたが、おかあさんが「お前さんお寝ぼけね、ここにちゃあんとあるじゃありませんか」
僕の帽子のお話 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
父はおこツてゐる、母夫人は冷淡れいたんだ。周三は何處にも取ツて付端つきはが無いので、眞個まつたく家庭を離れて了ツて、獨其のしつに立籠ツて頑張ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
で、初めにこれを記した時には、非常に数が多く、数十百篇に及んだ。が、漢がおこった時にはこれらは失われ亡んでいた。しかるに
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
書についての私の経歴というようなものを、烏滸おこがましいのでありますが、一つの挿話としてお聞きをねがいたいのであります。
能書を語る (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
その顫音が集って、仄暗い家の中の空気に頼り無い寂寥を満す時、彼女はむやみと火鉢の炭を足して、軽く頬がほてるまでに火をおこした。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
少なくとも仏教の根本目的は「我等と衆生しゅじょうと、皆共に仏道をじょうぜん」ということです。「同じく菩提ぼだい心をおこして、浄土へ往生せん」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「不意にお呼止めしたのをおこりもなさらないで、よく来て下さいました。ほんとうにいつか又お目にかかりたいものですね」
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
子、魯の大師にがくげて曰く、楽は其れ知るべきなり。始めておこすとき翕如きゅうじょたり。之をはなてば純如たり。皦如きょうじょたり。繹如えきじょたり。以て成ると。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
重候へ共茲ぞ恩の報じどきと存じ夜の目も眠ず賃苧ちんををうみて看病おこたりなく致せし事は家主始同長屋の者をお尋ありても相知申すべく候かく難儀なんぎの暮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それはよかったけれど、お酒飲みだすと、あの人の態度何だか気障きざっぽくて、私忿おこって廊下へ飛び出しちゃったものなの。そうなると、私後ろを振り返らない女よ。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
拾つたドレ/\見せねへと取上見れば富右衞門の方へ平兵衞より送りし手紙なるゆゑ重四郎たちま惡心あくしんおこし三五郎に向ひなんと此煙草入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
子路聞けることありて、いまだおこなうあたわざるときは、唯聞くあらんことを恐る。(一四)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
金は何としておこす、三之助を貰ひにやろかとあれば、ほんにそれで御座んす、常日つねさへあるに大晦日といふては私の身にすきはあるまじ、道の遠きに可憐かわいさうなれど三ちやんを頼みます
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これ仁者の言、いわゆるその君をして堯舜になす者なり、嗚呼おこなる所為なれど童蒙のために註しつ(以上馬琴の説)。
棋盤きばんの上での戯れによく使われるが、おこりはやはり兵学上の語だろうと思う。聖賢の語は、こう率直でない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、ノメシ棒やチョガシおこも、なんだか変だから、これからはさきの尖った朸だけを、サスということにするのは便利かもしれない。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
花の中に、母君の胸がゆらぐ。おお、最惜いとおしの御子おこに、乳飲まそうと思召すか。それとも、私が挙動ふるまいに、心騒ぎのせらるるか。客僧方あなたがたには見えまいが、の底にむものは、昼も星の光を仰ぐ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「はい、二十八丁と申します。旦那だんな湯治とうじ御越おこしで……」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
はなひり、おこさや
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
女「そうだねえ、まア火をおこしてお呉れ……消炭けしずみを下へ入れて堅い炭を上へ入れるのだよ、あら、鍋が空じゃアないか、湯を入れて掛けるのだアね、旨くやんねえよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「おい、お前が何も塩梅しなくってもい、うバタ/\七輪の下をあおがないでも宜いよ、お前のは他見わきみばかりして居るから、上の方で灰ばかり立って火がおこりゃアしない」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
マーキュ 此方こちからおこさねば、其方そちでは機會きっかけ出來できぬと被言おしゃるか?
チッバ 機會きっかけさへおこしゃらば、何時いつでも敵手あひてになりまうさう。
成程一命にかかわるような大した事ではないが、併し其大した事でない用が間断しっきりなく有る。まず朝は下女と殆ど同時におこされて、雨戸を明けさせられる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は生来の朝寝坊だから、毎朝二度三度おこされても、中々起きない。優しくしていては際限がないので、母が最終しまいには夜着をぐ。これで流石さすがの朝寝坊も不承々々に床を離れるが、しかし大不平だいふへいだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼の西乃入の牧場をあばれ廻つて、丑松の父を突殺した程の悪牛では有るが、うしたいさぎよい臨終の光景ありさまは、又た人々に哀憐あはれみの情をおこさせた。叔父も、丑松もすくなからず胸を打たれたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それより悔改コンチリサンをなし、贖罪符しょくざいふをうけて僧院を去れるも、帰途船中黒奴ムールはゴアにて死し、嬰児えいじはすぐせと名付けて降矢木の家をおこしぬ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「なんの。きまって長どんを叩起おこしますのさ。」味噌松は他意なく続ける。
新大橋を過ぐる折から雨またばら/\と降り来。されど舟子の少しも心にかけぬさまなるに我等も驚かで、火をおこし湯をたぎらしなどす。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
お麻さん夫婦の浜町の家に特記してよいのは、小山内氏のために潮文閣をおこして第一期『新思潮』を出したことである。
彼等は皆過去の十一箇月をあだに送りて、一秒のちりの積める弐千余円の大金を何処いづくにか振落し、後悔のしりに立ちて今更に血眼ちまなこみひらき、草を分け、瓦をおこしても、その行方ゆくへを尋ねんと為るにあらざるなし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人間の威張臭る此娑婆しやばでは泣く子と地頭で仕方が無いが、天国に生れたなら一つ対手あひて取つて訴訟を提起おこしてやる覚悟だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
然るに私が斯んな問題に就いて此處で述べると云ふのは誠に無謀であつてはなは烏許おこがましいやうに自分でも思ひます。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
青い火さきが、堅炭をからんで、真赤におこって、窓にみ入る山颪やまおろしはさっとえる。三階にこの火の勢いは、大地震のあとでは、ちと申すのもはばかりあるばかりである。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片隅かたすみ焜炉こんろで火をおこして、おわんしるを適度に温め、すぐはしれるよう膳をならべて帰って行く。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
九月ながつき下旬すゑつかた、けふはことに二一なごりなくぎたる海の、にはか二二東南たつみの雲をおこして、小雨こさめそぼふり来る。
関白の説明汝に聞こうか! 地下侍じげざむらいの分際で、おこがましいことは云わぬがよい。ここに居られるのは殿下の寵臣、不破小四郎行春様だ。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どうも私はおこりっぽくていけないからとて、その感情の根を押し潰し、また私は欲望が多過ぎて苦しいからとて、その根を断ち、また私は子供らしくて困るからと、その根を刈ります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
はなれて見るとやたらに土がなつかしく、晴れた青空を見ては春おこしを思ひ、耕作がおくれるといふ考へに心を灼いた。
一過程 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
内典ほとけのみのり興隆おこさむとおもふ。方将まさ寺刹てらを建てむときに、はじめて舎利を求めき、時に、汝が祖父司馬達等しばたちと便すなわち舎利をたてまつりき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
四川の名は、それに起因おこる。河川流域の盆地は、米、麦、桐油、木材などの天産豊かであり、気候温暖、人種は漢代初期からすでに多くの漢民族が入って、いわゆる巴蜀文化の殷賑いんしんを招来していた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
差て行にける神ならぬ身の此方には災禍わざはひおこり來て無き名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
陸稻をかぼめづらしいうち出來できるもんだわ、わりにやけねえが、そんでも開墾おこしたばかしにやくさねえから手間てまらねえしな、それに肥料こやしつちやなんぼもしねえんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これは私が福沢先生の友人とし——友人といえば少しく鳴滸おこがましいようでありますが、最も畏敬いけいするところの先輩とし、ほとんど三十五年間の深い交わりのあった関係からして