おこ)” の例文
彼の西乃入の牧場をあばれ廻つて、丑松の父を突殺した程の悪牛では有るが、うしたいさぎよい臨終の光景ありさまは、又た人々に哀憐あはれみの情をおこさせた。叔父も、丑松もすくなからず胸を打たれたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)