トップ
>
発
>
おこ
ふりがな文庫
“
発
(
おこ
)” の例文
旧字:
發
永「七兵衞さんは知るまいが、金を貸すもお前故だ、是まで出家を
遂
(
と
)
げても、お前を見て
私
(
わし
)
は煩悩が
発
(
おこ
)
って出家は遂げられませんぜ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
少なくとも仏教の根本目的は「我等と
衆生
(
しゅじょう
)
と、皆共に仏道を
成
(
じょう
)
ぜん」ということです。「同じく
菩提
(
ぼだい
)
心を
発
(
おこ
)
して、浄土へ往生せん」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
八二
老衲
(
らうなふ
)
もしこの鬼を
八三
教化
(
けうげ
)
して
本源
(
もと
)
の心にかへらしめなば、こよひの
饗
(
あるじ
)
の
報
(
むく
)
ひともなりなんかしと、たふときこころざしを
発
(
おこ
)
し給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
父藤原豊成朝臣、亡父贈太政大臣七年の忌みに当る日に志を
発
(
おこ
)
して、書き綴つた「仏本伝来記」を、二年目の天平十八年に、
元興寺
(
ぐわんこうじ
)
へ納めた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
方角も吉里の室、
距離
(
とおさ
)
もそのくらいのところに上草履の音が
発
(
おこ
)
ッて、「平田さん、お待ちなさいよ」と、お梅の声で呼びかけて追いかける様子である。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
▼ もっと見る
「時に、ラムの
族
(
やから
)
ブジ人バラケルの子エリフ、大なる怒りを
発
(
おこ
)
せり、ヨブ神の前におのれを正しとするによりて、彼はヨブに向かいて怒りを発せり。」
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
末文に至り中にも智恵の浅き故に五の
疾
(
やまい
)
も
発
(
おこ
)
ると言うは、智恵浅きが故に智恵浅しと言うに異ならず、前後文を成さずと雖も、文字上の細論は
姑
(
しばら
)
く
擱
(
お
)
き
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
千人斬ろうと思い立ったのだそうである。抽斎はこの事を聞くに及んで、歎息して
已
(
や
)
まなかった。そして自分は医薬を以て千人を救おうという
願
(
がん
)
を
発
(
おこ
)
した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「兎は励みの心を
発
(
おこ
)
して、……耳は高く
𤹪
(
くぐ
)
せにして、目は大きく前の足短く、尻の穴は大きく開いて、東西南北求め歩けども、更に求め得たるものなし……」
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
嬢々
(
おつかさん
)
はたつた
此間
(
こないだ
)
無くなりました。ニユウ、イングランドから来た旅商人と喧嘩をして、余り
怒
(
おこ
)
つたので、卒中とかいふ病を
発
(
おこ
)
したのだといふことです。」
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
けれど、そのときすでに、身に病の
発
(
おこ
)
ってきた予感は、孔明自身が誰よりもよく
覚
(
さと
)
っていたにちがいない。間もなく彼の容態は常ならぬもののように見えた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おまえさんどうもお強い。よく血の道が
発
(
おこ
)
りませんね。平気なものだ、
女丈夫
(
おとこまさり
)
だ。
私
(
わたし
)
なんぞはからきし
意気地
(
いくじ
)
はない。それもそのはずかい、もう五十八だもの」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立ながら
腮
(
あご
)
に手伝はせての袖畳み小早く
室隅
(
すみ
)
の方に其儘さし置き、火鉢の傍へ直また戻つて
火急
(
たちまち
)
鉄瓶に松虫の音を
発
(
おこ
)
させ、むづと大胡坐かき込み居る男の顔を一寸見しなに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
子あるまゝを塩引にしたるを
子籠
(
ここも
)
りといふ、古へのすはよりといひしも是ならんか。本草に
鮏
(
さけ
)
味
(
あぢ
)
はひ
甘
(
うま
)
く
微温
(
やはらか
)
毒
(
どく
)
なし、
主治
(
きゝみち
)
中
(
うち
)
を
温
(
あたゝ
)
め
気
(
き
)
を
壮
(
さかん
)
にす、多く
喰
(
くら
)
へば
痰
(
たん
)
を
発
(
おこ
)
すといへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『まあ、瀬川君なぞは聞かない方が
可
(
いゝ
)
よ——聞けば
復
(
ま
)
た病気が
発
(
おこ
)
るに
極
(
きま
)
つてるから。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
またもとの
俗骨
(
ぞくこつ
)
にかへり、
我
(
われ
)
も詩を作る
事
(
こと
)
を知りたるならば、
拙
(
へた
)
ながらも
和韻
(
わゐん
)
と出かけて、先生を
驚
(
おどろ
)
かしたらんものをと
負
(
まけ
)
じ
魂
(
だましひ
)
、人
羨
(
うらや
)
み、
出来
(
でき
)
ぬ
事
(
こと
)
をコヂつけたがる
持前
(
もちまへ
)
の
道楽
(
だうらく
)
発
(
おこ
)
りて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
低く
発
(
おこ
)
りて物に
遮
(
さへぎ
)
られたれば、何の火とも
弁
(
わきま
)
へ難くて、その
迸発
(
ほとばしり
)
の
朱
(
あか
)
く
烟
(
けむ
)
れる中に、
母家
(
もや
)
と土蔵との影は
朧
(
おぼろ
)
に
顕
(
あらは
)
るるともなく奪はれて、
瞬
(
またた
)
くばかりに消失せしは、風の強きに吹敷れたるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「未甘冷淡作生涯。月榭花台発興奇。一種風流吾最愛。南朝人物晩唐詩。」〔未ダ甘ンゼズ冷淡モテ生涯ト
作
(
な
)
スヲ/月榭花台興ヲ
発
(
おこ
)
シテ奇/一種ノ風流吾ハ最モ愛ス/南朝ノ人物晩唐ノ詩〕と言っている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「げに親子の情二人が間に
発
(
おこ
)
らば源叔父が
行末
(
いくすえ
)
楽しかるべし。紀州とても人の子なり、源叔父の帰り遅しと
門
(
かど
)
に待つようなりなば涙流すものは源叔父のみかは」
夫
(
つま
)
なる
老人
(
おきな
)
の
取繕
(
とりつくろ
)
いげにいうも真意なきにあらず。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
されど世にあらせ給ふほどは
孝信
(
かうしん
)
をまもりて、
六〇
勤
(
ゆめ
)
色
(
いろ
)
にも出さざりしを、
崩
(
かく
)
れさせ給ひてはいつまでありなんと、
武
(
たけ
)
きこころざしを
発
(
おこ
)
せしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
いかなる嘲笑も
慢罵
(
まんば
)
も攻撃をも、一切超越せねば、決して新しい仕事はできないのです。新奇な運動は
発
(
おこ
)
せないのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
後から参ると云うので、病身で時々癪が
発
(
おこ
)
ると云うが、その持病を癒そう為に伊香保へ来て居たのだが、貴方に
一寸
(
ちょっと
)
岡惚れでしょう、
彼
(
あ
)
の
新造
(
しんぞう
)
がサ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの病気の
発
(
おこ
)
りましたのは内だったんですけれど、こんな稼業でしょう、少しは
身体
(
からだ
)
を動かしてもいいと、お
医師
(
いしゃ
)
がおっしゃいましてから、すぐ川崎の方へ……あの
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その頃は、
称讃浄土摂受経
(
しようさんじやうどせふじゆきやう
)
を千部写さうとの願を
発
(
おこ
)
して居た時であつた。其がはかどらない。何時までも進まない。茫とした耳に、此
世話
(
よばなし
)
が紛れ入つて来たのである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
小万はにっこり笑ッて、「あんまりひどい目に会わせておくれでないよ、虫が
発
(
おこ
)
ると困るからね」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
わたくしはこれを読んで、
乞児
(
こつじ
)
も猶古銭を乞ふとはいかなる事を謂ふかと云ふ好奇心を
発
(
おこ
)
した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今考えても
冷
(
ひや
)
りとするような突き詰めた考えも
発
(
おこ
)
さないでは無かったが、待てよ、あわてるところで無い、と思案に思案して生きは生きたが、女とはとうとう別れてしまった。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此日
(
このひ
)
此地
(
このち
)
此有様
(
このありさま
)
永
(
なが
)
く
描写
(
べうしや
)
し
止
(
とゞ
)
まりて、
後年
(
こうねん
)
いかなる
大業
(
たいげふ
)
を
作
(
な
)
す
種子
(
たね
)
とやならん、
予
(
よ
)
は
集
(
つど
)
へる人を見て
一種
(
いつしゆ
)
頼
(
たの
)
もしき
心地
(
こゝち
)
も
発
(
おこ
)
りたり、
此一行
(
このいつかう
)
が
此後
(
こののち
)
の
消息
(
せうそく
)
、
社員
(
しやゐん
)
横川氏
(
よこかはし
)
が通信に
委
(
くは
)
しければ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
中にも智恵の浅き故に五の疾も
発
(
おこ
)
る。女は陰性也。陰は夜にて暗し。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その立てる二三歩の前は直行が遺骨を
発
(
おこ
)
せし所なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
というのは、いうまでもなく大乗仏教の精神は、われらと衆生と皆共に仏道を
成
(
じょう
)
ぜんということです。同じく菩提心を
発
(
おこ
)
して浄土へ往生することです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
と云われるのが嬉しく思いまして、しげ/\通いましたが、又市も馬鹿でない男でございますから、
終
(
しまい
)
には癇癪を
発
(
おこ
)
して、
藤助
(
とうすけ
)
という
若者
(
わかいもの
)
を呼んで居ります。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
朕
(
わ
)
が
一二二
けんぞくのなすところ、人の
福
(
さいはひ
)
を見ては
転
(
うつ
)
して
禍
(
わざはひ
)
とし、世の
治
(
をさま
)
るを見ては
乱
(
みだれ
)
を
発
(
おこ
)
さしむ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「
戯言
(
じょうだん
)
は戯言だが、さッきから大分
紛雑
(
もめ
)
てるじゃアないか。あんまり疳癪を
発
(
おこ
)
さないがいいよ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
生じ易きは魔の縁なり、
念
(
おもひ
)
を
放
(
ほしいまゝ
)
にすれば直に
発
(
おこ
)
り、念を正しうするも猶起らんとす。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
水源
(
みなもと
)
を
岩井沼
(
いはゐぬま
)
に
発
(
おこ
)
すと
言
(
い
)
ふ、
浦川
(
うらかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
末
(
すゑ
)
が、
広
(
ひろ
)
く
成
(
な
)
つて
海
(
うみ
)
へ
灌
(
そゝ
)
ぐ
処
(
ところ
)
に
近
(
ちか
)
かつた。
旅館
(
りよくわん
)
を
出
(
で
)
てまだいく
程
(
ほど
)
もない
処
(
ところ
)
に——
路
(
みち
)
の
傍
(
そば
)
に、
切立
(
きつた
)
てた、
削
(
けづ
)
つた、
大
(
おほき
)
な
巌
(
いはほ
)
の、
矗々
(
すく
)
と
立
(
た
)
つのを
視
(
み
)
た。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
郎女
(
いらつめ
)
には、いつか小耳に
挿
(
はさ
)
んだ其話が、その後、何時までも消えて行かなかった。その頃ちょうど、
称讃浄土仏摂受経
(
しょうさんじょうどぶつしょうじゅぎょう
)
を、千部写そうとの願を
発
(
おこ
)
して居た時であった。其が、はかどらぬ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
他の時なればうるさき
混雑
(
こんざつ
)
やと人を
厭
(
いと
)
ふ
気
(
き
)
も
発
(
おこ
)
るべきに、
只
(
ただ
)
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
こら
)
へられず、車を
下
(
お
)
りて人の
推
(
お
)
すまゝに押されて、
言問団子
(
ことゝひだんご
)
の前までは
行
(
ゆ
)
きしが、
待合
(
まちあは
)
す社員友人の
何処
(
いづこ
)
にあるや知られず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
其保養を厚うし其感情を和らげ、仮初にも不愉快の年を
発
(
おこ
)
さしむることなきよう心を用う可し。殊に老人は多年の経験もあることなれば、万事に付き妨げなき限りは打明けて語り打明けて相談す可し。
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そゞろに
発
(
おこ
)
りし悪心より人を殺した
天罰覿面
(
てんばつてきめん
)
、
斯
(
かゝ
)
る最後を
遂
(
と
)
げるというも
自業自得
(
じごうじとく
)
、
我身
(
わがみ
)
は
却
(
かえ
)
って
快
(
こゝろよ
)
きも、只
不憫
(
ふびん
)
な事は娘なり、血縁にあらねば重二郎どの
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
窃かに心を寄せるのが「内通」であり、利を啗わせて事を
発
(
おこ
)
させるのが「
嘱賂
(
そくろ
)
を飼う」のであり、まだ表面には何の事も無くても他領他国へ対して計略を廻らすのが「陰謀」である。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると、直き傍で急に泣声が
発
(
おこ
)
ったのです。見ますとね、先刻の
何人
(
だれ
)
でも呪いそうな彼の可怖い眼の方が、隣の列車の窓につかまって泣いてらッしゃるのでした、多くの人目も羞じないで。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
水源
(
みなもと
)
を、
岩井
(
いはゐ
)
の
大沼
(
おほぬま
)
に
発
(
おこ
)
すと
言
(
い
)
ふ、
浦川
(
うらかは
)
に
架
(
か
)
けた
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つた
頃
(
ころ
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一 嫉妬の心
努〻
(
ゆめゆめ
)
発
(
おこ
)
すべからず。男婬乱なれば
諫
(
いさむ
)
べし。
怒
(
いかり
)
怨
(
うらむ
)
べからず。
妬
(
ねたみ
)
甚しければ其気色言葉も恐敷
冷
(
すさまじく
)
して、却て夫に
疏
(
うとま
)
れ見限らるゝ物なり。若し夫不義
過
(
あやまち
)
あらば我色を
和
(
やわ
)
らげ声を
雅
(
やわらか
)
にして諫べし。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
父藤原豊成朝臣、亡父贈太政大臣七年の忌みに当る日に志を
発
(
おこ
)
して、書き綴った「仏本伝来記」を、其後二年立って、元興寺へ納めた。飛鳥以来、藤原氏とも関係の深かった寺なり、本尊なのである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
ハテ
恵比寿麦酒
(
ゑびすびーる
)
の
会社長
(
くわいしやちやう
)
で、
日本
(
にほん
)
で
御用達
(
ごようたし
)
の
発
(
おこ
)
りは、
蛭子
(
ひるこ
)
の
神
(
かみ
)
が始めて
神武天皇
(
じんむてんのう
)
へ戦争の時
弓矢
(
ゆみや
)
と
酒
(
さけ
)
や
兵糧
(
ひやうろう
)
を
差上
(
さしあ
)
げたのが、
御用
(
ごよう
)
を
勤
(
つと
)
めたのが
恵比須
(
えびす
)
の
神
(
かみ
)
であるからさ。
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
火鉢の
傍
(
そば
)
へすぐまた
戻
(
もど
)
ってたちまち鉄瓶に松虫の
音
(
ね
)
を
発
(
おこ
)
させ、むずと
大胡坐
(
おおあぐら
)
かき込み居る男の顔をちょっと見しなに、日は暖かでも風が冷たく途中は随分
寒
(
ひえ
)
ましたろ、
一瓶
(
ひとつ
)
煖酒
(
つけ
)
ましょか
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
内
(
うち
)
に
留
(
とどま
)
りて
憂目
(
うきめ
)
を見るは、
三人
(
みたり
)
の
婦女
(
おんな
)
と
厄介
(
やっかい
)
の
盲人
(
めしい
)
とのみ。
婦女等
(
おんなたち
)
は船の動くと
与
(
とも
)
に
船暈
(
せんうん
)
を
発
(
おこ
)
して、かつ
嘔
(
は
)
き、かつ
呻
(
うめ
)
き、正体無く
領伏
(
ひれふ
)
したる髪の
乱
(
みだれ
)
に
汚穢
(
けがれもの
)
を
塗
(
まみ
)
らして、半死半生の間に苦悶せり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜になればお賤の処へしけ込んでおり、お前が塩梅が悪くっても、子供が虫が
発
(
おこ
)
っても薬一服呑ませる
了簡
(
りょうけん
)
もない不人情な新吉、金を
遣
(
や
)
れば手が切れるから手を切ってしまえ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
弱きには
怨恨
(
うらみ
)
を抱かしめ強きには
瞋
(
いか
)
りを
発
(
おこ
)
さしめ、やがて東に西に黒雲狂ひ立つ世とならしめて、北に南に
真鉄
(
まがね
)
の光の
煌
(
きら
)
めき
交
(
ちが
)
ふ時を来し、憎しとおもふ人〻に朕が辛かりしほどを見するまで
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
“発”の解説
発(發、はつ)は、夏朝の第16代帝。『史記』などにあるように、一般には帝桀の父は帝発とされているが、一説には帝桀の兄という。
即位後、諸々の夷が発の門前に来て、舞を披露したという。
第16代
(出典:Wikipedia)
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
“発”を含む語句
発見
出発
発生
発端
発足
発条
徴発
発覚
発句
発奮
発散
発程
発射
発条仕掛
発作
発矢
発止
発揮
発願
新発意
...