“大沼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おほぬま36.4%
おおぬま18.2%
おおの18.2%
おほぬ18.2%
おの9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひと馬鹿ばかにしてるではありませんか。あたりのやまでは処々ところ/″\茅蜩殿ひぐらしどのどろ大沼おほぬまにならうといふもりひかへていてる、なゝめ谷底たにそこはもうくらい。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
漫々たる水面やみのなかに銀河の如くよこたはりて、黒き、恐しき森四方をかこめる、大沼おおぬまとも覚しきが、前途ゆくてふさぐと覚ゆるあしの葉の繁きがなかにわが身体からだ倒れたる、あとは知らず。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頂上には大小二の火口湖がある、大は大沼おおの、小は小沼このと呼ばれている。大沼は周囲一里半、小沼はわずかに八、九町であるに過ぎない。
下総や印旛いには大沼おほぬ見にと来て見ておどろきぬ灰濁はいだめる波
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
赤城の山頂には火口原湖として大沼おの小沼このと二つの湖水があった。頃はいつの頃か定かに判らないが、山麓の村の長者の家で十六になる美しい一人娘があった。或る時しきりに赤城の登山を望んだ。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)