“微温”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬる37.5%
なまぬる25.0%
ぬるま12.5%
ぬくもり8.3%
ぬるみ4.2%
ぬく4.2%
びをん4.2%
やはらか4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新吉は微温ぬるい茶をんで出しながら、「あたしなんざ駄目です。小野君のように、体に楽をしていて金をける伎倆はたらきはねえんだから。」
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
微温なまぬるい、歴史的に言へば不思議な一個の結成物たる、役柄をみせて死んでゆくかもしれぬといふことは十分に推量出来ることである。
青年青木三造 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
出て来ると楊枝箱ようじばこ真鍮しんちゅうの大きな金盥かなだらいにお湯をって輪形りんなりの大きなうがい茶碗、これも錦手にしきでか何かで微温ぬるまの頃合の湯を取り、焼塩が少し入れてあります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
春の水が春の海と出合うあたりには、参差しんしとして幾尋いくひろの干網が、網の目を抜けて村へ吹く軟風に、なまぐさ微温ぬくもりを与えつつあるかと怪しまれる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ善を行ふにあたりて微温ぬるみのためにあらはせし怠惰おこたり等閑なほざりを恐らくは今強き熱にて償ふ民よ 一〇六—一〇八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
戸外に出ると、対岸の山頂が微かな光に染み、そこから夏の日特有の微温ぬくもったあけぼのが押し拡がろうとしている。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
とらへがたき微温びをんの、やるせなきそのこころ……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
子あるまゝを塩引にしたるを子籠ここもりといふ、古へのすはよりといひしも是ならんか。本草にさけあぢはひうま微温やはらかどくなし、主治きゝみちうちあたゝさかんにす、多くくらへばたんおこすといへり。