“参差”のいろいろな読み方と例文
旧字:參差
読み方(ふりがな)割合
しんし93.8%
さんし3.1%
しんさ3.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ジッと、境内を見廻していたが、やがて、大股に本堂へ向ってきた。と、思うと、またふと足を止めて、参差しんしとした杉木立の奥をすかすように見た。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし「影参差しんし松三本の月夜かな」とうたったのは、あるいはこの松の事ではなかったろうかと考えつつ、私はまた家に帰った。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
絶壁の上のかえでの老樹も手に届くばかりに参差しんしと枝を分ち、葉を交えて、鮮明に澄んでのどかな、ちらちらとした光線である。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
参差しんしたるまつヶ枝、根にあがり、横にい、空にうねって、いうところの松籟般若しょうらいはんにゃを弾ずるの神境しんきょうである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
右方にはセントアーン山高くそびえ、左方にはボウフナルト湾のきわまるところに、参差しんしとして白雪が隠見いんけんしている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかし書を著すものはことさらに審美学者の所謂無秩序中の秩序を求め、参差さんし錯落の趣を成して置きながら、這般しやはんの語を以て人を欺くのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は鉄鞭てつべんてて、舞立つ砂煙すなけむりの中にさきがけの花をよそほへる健児の参差しんさとして推行おしゆ後影うしろかげをば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)