微温ぬるま)” の例文
出て来ると楊枝箱ようじばこ真鍮しんちゅうの大きな金盥かなだらいにお湯をって輪形りんなりの大きなうがい茶碗、これも錦手にしきでか何かで微温ぬるまの頃合の湯を取り、焼塩が少し入れてあります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
十二時過ぎると飯が喰えないことになるからまだ湯は沸かないがその微温ぬるまな水で麦焦しをねて充分麦の粉だけ喰ったです、例の唐辛子と塩を付けて……。実にうまかったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
甚「色のしれ好男いゝおとこだね、女が惚れるたちだね、酒がえから兄弟分きょうでえぶんの固めには、先刻さっき一燻ひとくべしたばかりだから、微温ぬるまになって居るが、此の番茶を替りに、己が先へ飲むから是を半分飲みな」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)