“医師”のいろいろな読み方と例文
旧字:醫師
読み方割合
いしゃ55.0%
いし16.3%
くすし15.0%
ドクトル5.0%
せんせい3.8%
いしや2.5%
おいしゃ1.3%
あのひと1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金と云ってもいくら埋めて好いか判らない、それに医師いしゃや葬式のために非常に入費がかかって、現金があまりないことは判っていた。
餅を喫う (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すなわちここの市長しちょうならび町会議員ちょうかいぎいんみな生物知なまものしりの町人ちょうにんである、であるから医師いしることは神官しんかんごとく、そのところ批評ひひょうせずしてしんじている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「わたしが奉公するとなれば、ととさまの御勘気もるる。殿に願うて良い医師くすしを頼むことも出来る。なんのそれが不孝であろうぞ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おまけに忰の友太郎が又、古今無双の親孝行者で、二晩の間ツラリともしない介抱ぶりには、流石さすがのワシも泣かされた……という老医師ドクトルの涙語りだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぼうとしていたあかりが動いて、直ぐに台附の洋燈ランプを手にした、浴衣の胸のはだかった、扱帯しごきのずるずるとある医師せんせいが、右を曲って、正面へ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは静子の学校仲間であつた平沢清子が、医師いしやの加藤と結婚する前日であつた。清子と信吾が、余程以前まへから思ひ合つてゐた事は、静子だけがよく知つてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あ、おとうさまが、病気の事で医師おいしゃと少し相談もあるからちょいと来るようにッてね、——番町の方でも——承知だから」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
お葉は、もうどうする事も出来ぬ、改めて不意打でもされるものゝやうに、医師あのひとたちがよって来たなら、どんな事をされるか解らない。殺されるんだと考へたけれども自分の身体は少しも動かない。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)