“あのひと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
彼女42.1%
彼人21.1%
10.5%
良人10.5%
お柳5.3%
医師5.3%
料理番5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女あのひとは部屋に一人で眠ってはおられません、そして彼女あのひとのそばには砦のなかの者は一人もついておりません」
(新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
他事ほかぢやねえが、猪子で俺は思出した。以前もと師範校の先生で猪子といふ人が有つた。今日の御客様は彼人あのひととは違ふか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
⦅もしやあのひとはほんとに何か怖ろしい覚悟をしたんぢやないかしら! 分りやしないわ! どんなことで、自棄やけから他のひとを想ふやうになつて
「あたしは煖房が欲しいのだ。どうあっても据えつけさせてやる。あたしは厭ッてほど咳をしてやろう。そうすれば、良人あのひとだって思い切って煖房を据えつける気になるだろう」
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
「月が変ったら、お柳あのひとの兄さんが田舎からそのはなしに出て来ることになってはいるんですけれどね。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お葉は、もうどうする事も出来ぬ、改めて不意打でもされるものゝやうに、医師あのひとたちがよって来たなら、どんな事をされるか解らない。殺されるんだと考へたけれども自分の身体は少しも動かない。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
料理番さんもやっぱり。……そして料理番あのひとは、この池のを大事にして、可愛かわいがって、そのせいですか、ひまさえあれば、黙ってああやって庭へ出て、池を覗いていますんです。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)