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怒
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おこ
ふりがな文庫
“
怒
(
おこ
)” の例文
「
困
(
こま
)
ったねえ、えらい人が来るんだよ。
叱
(
しか
)
られるといけないからもう帰ろうか。」私が
云
(
い
)
いましたら慶次郎は少し
怒
(
おこ
)
って答えました。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「まあそう
怒
(
おこ
)
らないで、連れていって下さいよ、僕は新聞記者の
佐々砲弾
(
さっさほうだん
)
てぇんです。僕一人ぐらい、なんでもないじゃないですか」
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何を
怒
(
おこ
)
りましょう。ようこそはっきりおっしゃってくださるわね。あれはわたしもあとでほんとうにすまなかったと思いましたのよ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
これでは、まるで気ちがいが笑ったり
怒
(
おこ
)
ったりしているようだ。たちまちおぼえてしまって、その日から大はやりになってしまった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
すると田口の玄関で
怒
(
おこ
)
ったなり、あの女の研究まで投げてしまった自分の短気を、自分の好奇心に釣り合わない弱味だと思い始める。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
から、
若
(
もし
)
其頃誰かが面と向って私に然うと注意したら、私は
屹度
(
きっと
)
、失敬な、惚なんぞするものか、と
真紅
(
まッか
)
になって
怒
(
おこ
)
ったに違いない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
と番頭の頭を
殴
(
う
)
つ、番頭も
怒
(
おこ
)
り出し、無茶苦茶に胸倉を取って表へ二人を突出し、ポンと
掛金
(
かきがね
)
をかけてしまう。叔母は地べたへ
転
(
ころが
)
り
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さうなんでさ、わたしや
蜀黍
(
もろこし
)
打棄
(
うつちや
)
つ
時
(
とき
)
まで
有
(
あ
)
つと
思
(
おも
)
つてたら
見
(
め
)
えねえんでさ、
私等家
(
わたしらぢ
)
のおとつつあは
道具
(
だうぐ
)
つちと
酷
(
ひど
)
く
怒
(
おこ
)
んですから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夕餉
(
ゆうげ
)
どきに帰りを
忘
(
わす
)
れてあそんでいる
弟
(
おとうと
)
を、父や母が
怒
(
おこ
)
らぬうちにとハラハラしてさがす
姉
(
あね
)
のような愛が、彼女の眼にこもっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(起ちあがり)どら、
風呂
(
ふれ
)
へいつて
来
(
く
)
う……(出て行きながら)一番の蚊帳、早うまた吊つとかんと、おツ母さんに
怒
(
おこ
)
らるるばい。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「此の頃では、」と彼女は云った、「何かしきりに考え事をしているようです。そして
怒
(
おこ
)
ることがよほど少くなりましたけれど……。」
囚われ
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ばかばかしい。
早
(
はや
)
く
死
(
し
)
んで
失
(
う
)
せろ。いくらでもおまえがたの
代
(
か
)
わりは
生
(
う
)
まれてくるわ。」と、
幹
(
みき
)
は
体
(
からだ
)
を
震
(
ふる
)
わして
怒
(
おこ
)
ったのであります。
葉と幹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
広子はそんなことを
尋
(
たず
)
ねたために辰子を
怒
(
おこ
)
らせたのを思い出した。もっとも妹に怒られることは必ずしも珍らしい出来事ではなかった。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
初めの内は誤解もするし、
怒
(
おこ
)
るような事もあるし、場合に
依
(
よ
)
っては
誰
(
たれ
)
か死ななくては目ざす人に近寄られないというような事さえある。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
怒
(
おこ
)
ったために力がわいてきたのでしょうか、こんどは、ほかのガンたちにも
負
(
ま
)
けないくらい、よく飛ぶことができるようになりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
父
(
とう
)
さんは
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
をつたつて
登
(
のぼ
)
つて、
時
(
とき
)
にゆすつたりしても
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
は
怒
(
おこ
)
りもしないのみか、『もつと
遊
(
あそ
)
んでお
出
(
いで
)
。もつと
遊
(
あそ
)
んでお
出
(
いで
)
。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「敵わんね。君には」
怒
(
おこ
)
ることも笑うことも出来なくなった夫は、「さあ、お湯にでも入ろうかね」と子供を抱いて中へ入って行った。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それからといふもの、お
月様
(
つきさま
)
は
怒
(
おこ
)
つて
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れると、
鶏
(
にはとり
)
の
眼
(
め
)
を
見
(
み
)
えぬやうにしてしまひました。それで「とりめ」になりました。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
今
(
いま
)
改
(
あらた
)
めて
伺
(
うかゞ
)
ひに
出
(
で
)
やうとして
居
(
ゐ
)
ましたといふ、
夫
(
そ
)
れは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
だ、
貴君
(
あなた
)
のお
名
(
な
)
をさと
揚
(
あ
)
げられて、
馬鹿
(
ばか
)
/\お
力
(
りき
)
が
怒
(
おこ
)
るぞと
大景氣
(
おほけいき
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それからねエ、おかあさま、ちょうどその時縁側を
老母
(
おばあさん
)
が通ってね、すっかり聞いてしまッて、それはそれはひどく
怒
(
おこ
)
ってね」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
怒
(
おこ
)
り
上戸
(
じょうご
)
やアノ泣き上戸。笑い上戸に後引き上戸。
梯子
(
はしご
)
上戸と世間の人が。酔うた姿を見かけの通りに。名前つけるとおんなじ流儀じゃ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
土井は京都へついてからも、何か自分で
怒
(
おこ
)
つてゐるのぢやないかと
反省
(
はんせい
)
してみたくらゐ、
執拗
(
しつえう
)
に京都行を主張したのであつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
怒
(
おこ
)
らねえだ。が、
何
(
なに
)
もはあ、
自分
(
じぶん
)
では
知
(
し
)
らねえちゆうだ。
私
(
わし
)
も、あれよ、
念
(
ねん
)
のために、
燈
(
あかり
)
をくわんと
明
(
あか
)
るくして、
恁
(
か
)
う
照
(
て
)
らかいて
見
(
み
)
た。」
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それであなたの方でそう
怒
(
おこ
)
るなら私の方でも申しあげますが、いったい今度の会をやるということと、倉富さんが評論を書くということは
遁走
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
……でも、仕方がないのよ! やがてあなただって、わかる時が来るわ……ただね、わたしのこと、
怒
(
おこ
)
らないでちょうだいね!
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
溌剌
(
はつらつ
)
として、多少
滑稽
(
こっけい
)
で、
比喩
(
ひゆ
)
と象徴とがいっぱいつめ込まれた頭脳をもち、ゴチック的でまたロココ的で、
怒
(
おこ
)
りっぽく、
頑固
(
がんこ
)
で、清朗で
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「いえ、それはどうしても私には出來ません。ですからただ一つしか途はないのです。でもそれを云つてはあなたはお
怒
(
おこ
)
りになるでせう。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
おじいさんはがみがみと叱りつけたから、
怒
(
おこ
)
っていたのかと思ったら、昔のランプに
逢
(
あ
)
うことができて喜んでいたのである。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私ヲソンナミダラナ女ト思ウノデスカト
怒
(
おこ
)
ルデアロウガ、コレハ「仮リニ」ダ、———他ノ男ヲ
拵
(
こしら
)
エタトスルト、僕ハソレニハ堪エラレナイ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
部屋に上って仕事をしようとしても、そんな落ちつきを失った彼には、書くべきことがらが
怒
(
おこ
)
っているために、片っ端から
逃
(
に
)
げを打っていた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
今日は下谷長者町の
筆幸
(
ふでこう
)
へ出かけて行って、そっと息子の幸吉にだけ会い、こういって
散々
(
さんざん
)
怒
(
おこ
)
り散らした村井長庵だ。そんな筈はないがなア。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
マーキュ さゝ、
足下
(
おぬし
)
はイタリーで
誰
(
た
)
れにも
負
(
ひけ
)
を
取
(
と
)
らぬ
易怒男
(
おこりむし
)
ぢゃ、
直
(
ぢき
)
に
怒
(
おこ
)
るやうに
仕向
(
しむ
)
けられる、
仕向
(
しむ
)
けらるれば
直
(
すぐ
)
怒
(
おこ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「それで、金沢が帰ってきて陸上の連中に話したから、みんな
怒
(
おこ
)
っていたよ。二三人で呼びだして、熊本を
撲
(
なぐ
)
ろうかとまで言っているんだぜ」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「そなたがいつまでも
怒
(
おこ
)
ったりしているので、とうとうみんながここまで出て来なければならなくなった。もうたいていにしてお帰りなさい」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ピリイは、あんまり泣いたもので、
放熱器
(
レディエイター
)
の水がすっかりなくなってしまいました。で、ひどく頭がほてって、
怒
(
おこ
)
りっぽくなってしまいました。
やんちゃオートバイ
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
其
(
そ
)
れぢや
基督
(
ハリストス
)
でも
例
(
れい
)
に
引
(
ひ
)
きませう、
基督
(
ハリストス
)
は
泣
(
な
)
いたり、
微笑
(
びせう
)
したり、
悲
(
かなし
)
んだり、
怒
(
おこ
)
つたり、
憂
(
うれひ
)
に
沈
(
しづ
)
んだりして、
現實
(
げんじつ
)
に
對
(
たい
)
して
反應
(
はんおう
)
してゐたのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「薊さんそれでは困る、どうかまあ
怒
(
おこ
)
らないでください。とよが事はとにかく、どうぞ心持ちを直して帰ってください」
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
寢轉
(
ねころ
)
んで
讀書
(
どくしよ
)
してゐる
枕頭
(
まくらもと
)
にお
行儀
(
げうぎ
)
よくおちんをしてゐる、
叱
(
しか
)
つても
逃
(
に
)
げない、
庭
(
には
)
へつまみ
出
(
だ
)
す、また
這入
(
はい
)
つてくる、
汚物
(
をぶつ
)
をたれ
流
(
なが
)
す、
下女
(
げぢよ
)
が
怒
(
おこ
)
る。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
『まあさ。然う直ぐ
怒
(
おこ
)
らねえでも可いさ。』と源助はまたしても笑つて、『一度東京へ行きや、もう
恁麽
(
こんな
)
所にや一生帰つて来る気になりませんぜ。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
柳吉が蝶子と世帯を持ったと聴いて、父親は
怒
(
おこ
)
るというよりも柳吉を
嘲笑
(
ちょうしょう
)
し、また、蝶子のことについてかなりひどい事を言ったということだった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
中将はぜひとも自分でなく思わせなければならないと知って物を言わない。ただ
怒
(
おこ
)
ったふうをして
太刀
(
たち
)
を引き抜くと
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「三上、そう
怒
(
おこ
)
るものじゃない。え、浜につけば、気に入るようにしてやるから怒らずに、一生懸命やってくれ、え」
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
『お母さん、
怒
(
おこ
)
らないでね』と、小さな女の子は言いました。『あたし、お祈りしたのよ。パンにバターもたくさんつけてくださいまし、ってね!』
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『
然
(
さ
)
う
怒
(
おこ
)
つたものぢやない!』と
云
(
い
)
つて
五點
(
フアイブ
)
は『
私
(
わたし
)
は
昨日
(
きのふ
)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が、
何
(
ど
)
うしてもお
前
(
まへ
)
は
首
(
くび
)
を
刎
(
は
)
ねられるやうな
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
をしたと
云
(
い
)
はれるのを
聞
(
き
)
いた!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
こんなことを言われても、六兵衛は
怒
(
おこ
)
りもせず、にやにや
笑
(
わら
)
っているばかりでした。それを見ている重吉はつくづく六兵衛がかわいそうになりました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
親父
(
おやじ
)
には絶えず
怒
(
おこ
)
られて
叱責
(
しっせき
)
され、
親戚
(
しんせき
)
の年上者からは監督され、教師には
鞭撻
(
べんたつ
)
され、精神的にも行動的にも、自由というものが全く許されてなかった。
老年と人生
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
その最も
甚
(
はなはだ
)
しい時に、自分は悪い
癖
(
くせ
)
で、女だてらに、少しガサツなところの有る
性分
(
しょうぶん
)
か知らぬが、ツイ
荒
(
あら
)
い物言いもするが、夫はいよいよ
怒
(
おこ
)
るとなると
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それから
体
(
からだ
)
の
重
(
おも
)
みが六十四
斤
(
きん
)
もあって、
怒
(
おこ
)
って
力
(
ちから
)
をうんと
入
(
い
)
れると、その四
倍
(
ばい
)
も
重
(
おも
)
くなるといわれていました。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この二人はかつてある
跛人
(
ちんば
)
の事でけんかをしたことがあるので今日までも互いに恨みを含んで
怒
(
おこ
)
り合っていた。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
父は火のやうに
怒
(
おこ
)
つて、絹篩にかけた程に柔らかな
良
(
よ
)
い灰の
上層
(
うはかは
)
から、ザラ/\した
燒土
(
やけつち
)
の如き灰を取り棄てるのに、
朝飯
(
あさはん
)
が
晝飯
(
ひるめし
)
になるのをも忘れてゐた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
怒
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“怒”を含む語句
憤怒
怒鳴
怒濤
怒号
忿怒
御怒
嚇怒
怒気
狂瀾怒濤
鬼怒川
激怒
怒涛
震怒
大聖威怒王
神怒
怒田
赫怒
怒罵
怒髪
怒声
...