“怒田”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬだ50.0%
ぬた50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
怒田ぬだからヤグラ峠へ向ふ日蔭の山径は、わけても嶮しく、帯のやうに細い黄土の坂径が深い枯草の中に埋れてゐた。
剥製 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
竜巻山、雉子ヶ淵、怒田ぬだ、ヤグラ沢、狐塚、吹雪川、そして漸くにして鬼柳の森を見出す次第だが、私はもうそんな名前をかぞへるだけで地面が波にでも見えるかのやうな眩惑を覚えた。
剥製 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
鬼涙きなだ寄生木やどりぎ夜見よみ、五郎丸、鬼柳きりう深堀しんぼり怒田ぬた、竜巻、惣領そうれう、赤松、金棒、鍋川——足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。
その村を憶ひて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)