その村を憶ひてそのむらをおもいて
鬼涙、寄生木、夜見、五郎丸、鬼柳、深堀、怒田、竜巻、惣領、赤松、金棒、鍋川——足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。私の、いろいろな短篇小説の中に屡々現れるいくつかの村の名前は …