“おこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オコリ
語句割合
55.0%
起因12.0%
原因5.0%
瘧病3.0%
3.0%
濫觴3.0%
3.0%
起原3.0%
瘧疾2.0%
発源2.0%
発端2.0%
2.0%
由来1.0%
痎瘧1.0%
1.0%
起源1.0%
起由1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「幽霊も大袈裟だがよ、悪く、蜻蛉にたたられると、おこりを病むというから可恐おっかねえです。縄をかけたら、また祟って出やしねえかな。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、かの橋下の瀬のはやい事が話の起因おこりで、吉野にむかつてしきりに水泳に行く事を慫慂すすめた。昌作の吉野に対する尊敬が此時からまた加つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
茶受にしよう、是非お千さんにも食べさしたいと、甘谷の発議。で、宗吉がこれを買いに遣られたのが事の原因おこりであった。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
曰く、「矢筈草俗に現の証拠といふこの草をとりみそ汁にて食する時は痢病りびょうはなはだ妙なり又瘧病おこり及び疫病等えきびょうなどにも甚こうあり云々うんぬん」。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
其位そのくらゐぢや滿足まんぞく出來できないわ』といたましげなこゑあはれなあいちやんがつぶやいて、さておもふやう、『うかして芋蟲いもむしおこりッぽくしない工夫くふうはないものかしら』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
犬神の濫觴おこりはいつのころであったか。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(用)……おこり……居着いつき……つき
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真正ほんとうに然うですよ。兎に角その小僧さんのお母さんが手向けの為めに此処へ紅葉を植えたのが鹿に紅葉の起原おこりだというのですから益〻心細いわ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『本草綱目』に虎皮を焼いてめば卒中風を療す、また瘧疾おこりを治し邪魅を避くとづ。『起居雑記』に虎豹の皮上に睡れば人の神を驚かしむとある由。
一体、此のたびの事の発源おこりは、其処そこな、おいちどのが悪戯いたずらからはじまつた次第だが、さて、うなれば高いところで見物で事が済む。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ソレソレ。その日田金がドウヤラ今度の振袖娘胴切の事件こと発端おこりらしいケニ、世の中はどう持ってまわったものかわからん」
皇子ははやくから文筆を愛し、「詩賦のおこりは大津より始まる」と云われたほどであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
怪しき声してなき狂ひ、かどを守ることだにせざれば、物の用にもたたぬなれど、主人は事の由来おこりを知れば、不憫さいとど増さりつつ、心を籠めて介抱なせど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
この体態ていたらくを見て、事の由来おこりを尋ぬるに、黄金丸はありし仕末を落ちなく語れば。鷲郎もその功労てがらを称賛しつ、「かくては御身が疾病いたつきも、遠ほからずして癒ゆべし」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
訓言おしえは薬のようなもので、痎瘧おこりを病む者の前に瘇腫はれものの薬をすすめられてもしかたがない、と、そのようなことも思うた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
入けれどもお熊は祝言しうげんの夜より癪氣しやくけおこり難儀なんぎなりとてはゝそばかしおくまちう八母はせい三郎と毎夜まくらならべて一ツをなすこと人外にんぐわいの仕方なりされども又七は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其の頃の落首らくしゅに「本所ほんじょうに過ぎたるものが二つあり津軽大名炭屋鹽原」と歌にまでうたわれまして、十万石のお大名様と一緒にたとえられます位になる其の起源おこりは、わずかの端銭はしたぜにから取立てまして
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
飛騨ひだ国大野郡辺りにてこのごろ流行する天狗祭りの起由おこりを聞くに、越中国東礪波ひがしとなみ郡の増太郎といえるもの、一日天狗にさらわれたりしが、このほどふと帰村していえるよう
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)