“えやみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
疫病47.4%
10.5%
疫癘10.5%
悪疫5.3%
役病5.3%
時疫5.3%
瘟疫5.3%
5.3%
瘧病5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつ慶長けいちょうの初めには疫病えやみがはやり、天変地異てんぺんちいがつづいた。こんなことを仏僧や神官が神仏の怒りとして持ち出さずにはおくわけはなかった。
あるはまたえやみのさやぎ、野の犬の
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
幽暗くらきにはあゆむ疫癘えやみあり
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
というのは、海に乗り出すと間もなく、船内に、それは得体の知れない、悪疫えやみがはびこってきたからでした
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それからというもの私は、もしやしたら父と悪疫えやみとの間に、何か不思議なつながりがあるのではないか——ないかないかと、それのみをただ執念しゅうねく考えつめるようになりました。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
役病えやみさはに起り、人民おほみたから盡きなむとしき。
要なき時疫えやみの恨めしけれど是非ぜひなく、なおかにかくとその石のさまなど問うに、強て見るべきほどのものとも思われねばむ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
六四畿内河内の国に六五はたけ山が同根どうこんの争ひ果さざれば、みやこぢかくも騒がしきに、春の頃より六六瘟疫えやみさかんにおこなはれて、かばねちまたみ、人の心も今や六七ごふくるならんと
わななきてえやみするかに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「和名類聚鈔るいじゆせう」の病名部によると一名瘧病えやみともただぎゃくともいい、寒熱かんねつ、時ヲ措イテ振フ、とあるから今の流感に似て急性な症状でもあったろうか。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)