悪疫えやみ)” の例文
というのは、海に乗り出すと間もなく、船内に、それは得体の知れない、悪疫えやみがはびこってきたからでした
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それからというもの私は、もしやしたら父と悪疫えやみとの間に、何か不思議なつながりがあるのではないか——ないかないかと、それのみをただ執念しゅうねく考えつめるようになりました。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と言った横蔵の唇が、いつになく物懶ものうげであったように、それから数日後になると、果たしてステツレルの出現と合わしたかのごとく、城内には、悪疫えやみの芽がえはじめてきた。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)