“悪疫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あくえき87.5%
えやみ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
過ぐる日の上巳じょうしの祝節。わが仁宗皇帝におかれては、打ちつづく世の悪疫あくえきを聞こしめされ、いたく宸襟しんきんをなやませ給うた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悪疫あくえき版図はんとは五十村に渡った。疱瘡ほうそうのように細かな腫物はれものが全身に吹き出ると、焼けるように身体が燃えて、始めは赤くなった。ついには黒くなって死ぬといった。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
というのは、海に乗り出すと間もなく、船内に、それは得体の知れない、悪疫えやみがはびこってきたからでした
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それからというもの私は、もしやしたら父と悪疫えやみとの間に、何か不思議なつながりがあるのではないか——ないかないかと、それのみをただ執念しゅうねく考えつめるようになりました。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)