起原おこり)” の例文
ことの起原おこりといふのは、醉漢ゑひどれでも、喧嘩けんくわでもない、意趣斬いしゆぎりでも、竊盜せつたうでも、掏賊すりでもない。むつツばかりの可愛かはいいのが迷兒まひごになつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
真正ほんとうに然うですよ。兎に角その小僧さんのお母さんが手向けの為めに此処へ紅葉を植えたのが鹿に紅葉の起原おこりだというのですから益〻心細いわ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
あとに思いを残させないようにする……というのがこうした習慣の起原おこりだそうで、年が年中暗黒の底に埋れている坑夫達にとっては、いかにも道理至極であり
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)