“片時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたとき56.6%
へんじ28.3%
へんし11.3%
かたどき3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その後間もなく西が外務の留学生となって渡支してからも山海数千里をへだてて二人は片時かたときも往復の書信を絶やさなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ただ内蔵助が茶屋酒に酔いれながら、片時へんじも仇討のことを忘れなかったように、自分も女のために一大事を忘れようとは思わない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
武士の大小であるから片時へんしも離すことはできない。今夜じゅうにはきっと請け出すと番頭を口説いて、彼は二両二歩を借り出した。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
酒でも呑んで気でも狂はせずに、片時かたどきなりと此様こんな馬鹿げた稼業が勤まりますか、俳優々々やくしや/\八釜敷やかましく言ふもんぢやありません、まア考へても御覧なネ、毎日毎夜れ程男の玩弄おもちやになつて居りながら
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)