“へんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
返事62.0%
返辞12.8%
片時8.0%
変事5.3%
返辭3.2%
返詞3.2%
變事1.6%
返答1.1%
問答0.5%
0.5%
応答0.5%
貶辭0.5%
返來0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家の中はまっくらで、しんとして返事へんじをするものもなく、そこらにはあつ敷物しきもの着物きものなどが、くしゃくしゃらばっているようでした。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なにかでつくったみののようなものが、彼のからだにせられた。その時から、忍剣がなにをきいても、さる返辞へんじをしなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乗り合いは前後に俯仰ふぎょうし、左右になだれて、片時へんじも安き心はなく、今にもこの車顛覆くつがえるか、ただしはその身投げ落とさるるか。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嵐の間におこり、嵐とともに去った変事へんじを聞き終って、弦之丞は驚きのあまり、しばらく愕然がくぜんとしていたが、やがて口のうちからただ一語。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
く鳴らぬ手を小池が五つばかり續けて、ペチヤ/\とやると、遠くで返辭へんじが聞えて、白粉おしろいの殘つた女が出て來た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
帰ってからその文句の廉々かどかどそらんずるにつけて罪恐ろしく、よせばよかったと思っても見、首尾よく行けばいゝとも思って見、思い思って五日と経ったが返詞へんじが無い
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
されば今日の變事へんじに付稻葉家に於ては大いに心配しんぱい致され取敢とりあへず日野殿の御機嫌伺きげんうかゞひとして家老からうの中をつかはされんと城代稻葉勘解由かげゆを以て京都日野方へ參入致させ種々しゆ/″\音物いんもつ山の如く贈られて今日の變事へんじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
先方せんぽうからなんとか返答へんじがあったかとっしゃるか……それは無論むろんありました。『よろこんであなたのおでをおちしてります……。』とそれはそれは鄭重ていちょう御挨拶ごあいさつでございました。
きらふにあらねど未だ未邊女氣おぼこぎのうらはづかしく發揮はき問答へんじを爲さざるなる可し就ては氣永きなが口説くどく時は竟に意に從ふならんと思ふにもず其娘は今度本町の小西屋へ縁談えんだんきまり箇樣々々と糊賣のりうりお金が話したるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へんじもなければ人の出てくる跫音あしおとも聞えない。で、今度は初めよりも強く力を入れて叩いた。それでも中へ聞えないのか応がなかった。
殺神記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「おのれッ! 応答へんじをいたさぬかッ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
俄羅斯オロシアの人ツルゲニエフ小説喧嘩買けんくわがひ、Bretojór をあらはす。獨逸の人ヰルヘルム・ランゲ其文を讀みて作者が喧嘩買をにくみながらもあへて一貶辭へんじさしはさまざるを稱へて止まず。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
返來へんじをさへうちとけてひしことはなく、しひへばしさうな景色けしきるおたみきのどくさかぎりなく、何歳いつまでも嬰兒ねねさまでいたしかたが御座ござりませぬ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)