返詞へんじ)” の例文
拾ひしものあらば隱さず申し出よと言渡しけるに若者のうちに一人發規はき返詞へんじをせざる者ありしがやゝあつて此者申すは先刻掃除を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
帰ってからその文句の廉々かどかどそらんずるにつけて罪恐ろしく、よせばよかったと思っても見、首尾よく行けばいゝとも思って見、思い思って五日と経ったが返詞へんじが無い
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
いつとなく出来た仲だとやら、そのうえまっつあんよりはさばけてゐるやうでも、あの生真面目きまじめさ加減では覚束おぼつかない、どうやら常談じょうだんらしくもないお前の返詞へんじがおれの腹に落ち兼ねる
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
部屋は小さいが我慢が出来る、ただ毎日四階まで昇降することは如何いかにも大儀だから、第一の部屋が借りられるならばその方にしようと思ひ、明瞭めいれう返詞へんじを与へずに帰つて来た。
南京虫日記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
もっとも其の時お前が仲へ這入ったのだから、何も間違はあるまいけれど、どうか当分若を預かってくれと云う手紙を持って、若同道でお前が来たから、その時わしが妹の処へ返詞へんじを書いてやったのだ
出せとの事なるがもしやらずに置けば大變な騷動さうどう成行なりゆくゆゑ早々去状さりじやう御書おかきなされと申すに五郎藏は甚だ不承知なるかほにて返詞へんじもせざれば久兵衞は種々いろ/\説勸ときすゝむると雖も五郎藏は却てはら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
丁度山口屋で女子こどもが欲しいというので、それに小市はおみゑのなり恰好はくわしく存じて居りまするから、すぐ承引うけひき、先方でも二つ返詞へんじだろうが、金は幾ら入るのだと聞くから、二百両入るというと