“返翰”の読み方と例文
読み方割合
へんかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうは、うやうやしげに押しいただき、さい大臣の返翰へんかんを読み初めていたが、鋭い目が、やがて再三、再四と、その小首をかしげさせ、ついに思いきった風でいった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見合せ追て申達すべしとの返翰へんかんなり斯樣に江戸表より粗略にすべからずとのなれば御城代ごじやうだいの下知としてにはかに天一坊の旅官りよくわんを前後左右に竹矢來たけやらいを結び前後に箱番所はこばんしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宗義智はこの数年間屡次るじにわたつて朝鮮側と屈辱的な折衝を重ね、太閤の意志とうらはらな返翰へんかんを得て、之を中途で握りつぶしてゐたのであるから、露顕の恐怖に血迷つた。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)