返翰へんかん)” の例文
こうは、うやうやしげに押しいただき、さい大臣の返翰へんかんを読み初めていたが、鋭い目が、やがて再三、再四と、その小首をかしげさせ、ついに思いきった風でいった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見合せ追て申達すべしとの返翰へんかんなり斯樣に江戸表より粗略にすべからずとのなれば御城代ごじやうだいの下知としてにはかに天一坊の旅官りよくわんを前後左右に竹矢來たけやらいを結び前後に箱番所はこばんしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宗義智はこの数年間屡次るじにわたつて朝鮮側と屈辱的な折衝を重ね、太閤の意志とうらはらな返翰へんかんを得て、之を中途で握りつぶしてゐたのであるから、露顕の恐怖に血迷つた。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
遣はせし事ありとの上意なれば近江守は御答おこたへの趣き早速松平伊豆守殿へ申通じければ又々御役人方御評議ごひやうぎとなり御連名にて返翰へんかんを遣されたり其文は先達せんだつ仰越おほせこされ候天一坊殿の儀石川近江守を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かつて、木曾義仲にくみして、矢をむけた時の平家追討の返翰へんかん
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、返翰へんかんしてきた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)