返辭へんじ)” の例文
新字:返辞
主人しゆじん挨拶あいさつかく明日あすのことにするからといつただけだといふ返辭へんじである。勘次かんじはげつそりとしてうちかへると蒲團ふとんかぶつてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
く鳴らぬ手を小池が五つばかり續けて、ペチヤ/\とやると、遠くで返辭へんじが聞えて、白粉おしろいの殘つた女が出て來た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
わたしもさ!』とつてあいちやんは大急おほいそぎではなしらしました。『え——き——い——い——いぬを?』ねずみ返辭へんじをしなかつたので、あいちやんはまたしんになつてつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「この電報でんぱうつてた。巖谷いはやとこだ、局待きよくまちにして、返辭へんじつてかへるんだよ。いそぐんだよ。」で、きよくで、局待きよくまちふと、局員きよくゐん字數じすうかぞへて、局待きよくまちには二字分にじぶん符號ふがうがいる。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
乳母うばめに、じゃうえてゐたら、わかあたゝかいがあったら、テニスのたまのやうに、わし吩咐いひつくるやいな戀人こひゞととこんでき、また戀人こひゞと返辭へんじともわし手元てもと飛返とびかへってつらうもの。
たかえ」それでも卯平うへい呶鳴どなつてたが返辭へんじがない。卯平うへいくちうちつぶやいて裏戸口うらとぐちまはつてたら其處そこうちから掛金かけがねかゝつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まへこゝろ虚僞いつはりがなく、まこと夫婦めをとにならうなら、明日あす才覺さいかくして使者つかひをばげませうほどに、何日いつ何處どこしきぐるといふ返辭へんじをしてくだされ、すれば、一しゃう運命うんめいをばおまへ足下あしもと抛出なげだして
こつな返辭へんじはきはめて簡單かんたんであつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ねえよう」と與吉よきちんだ。おつぎは返辭へんじしなかつた。與吉よきちまたんだ。さうしてした。おつぎはつてかうとすると
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)