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へんじ
ふりがな文庫
“
返事
(
へんじ
)” の例文
お
竹
(
たけ
)
は、さもとがめられたように
顔
(
かお
)
を
赤
(
あか
)
くして、なんと
返事
(
へんじ
)
をしていいかわからず、ただ、
下
(
した
)
を
向
(
む
)
きながら
仕事
(
しごと
)
をするばかりでした。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家の中はまっ
暗
(
くら
)
で、しんとして
返事
(
へんじ
)
をするものもなく、そこらには
厚
(
あつ
)
い
敷物
(
しきもの
)
や
着物
(
きもの
)
などが、くしゃくしゃ
散
(
ち
)
らばっているようでした。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
色
(
いろ
)
よい
返事
(
へんじ
)
を
認
(
したた
)
めたおせんの
文
(
ふみ
)
を、
見
(
み
)
せろ
見
(
み
)
せないのいさかいに、しばし
心
(
こころ
)
を
乱
(
みだ
)
していたが、この
上
(
うえ
)
の
争
(
あらそ
)
いは
無駄
(
むだ
)
と
察
(
さっ
)
したのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ボズさんの
本名
(
ほんみやう
)
は
權十
(
ごんじふ
)
とか五
郎兵衞
(
ろべゑ
)
とかいふのだらうけれど、
此
(
この
)
土地
(
とち
)
の
者
(
もの
)
は
唯
(
た
)
だボズさんと
呼
(
よ
)
び、
本人
(
ほんにん
)
も
平氣
(
へいき
)
で
返事
(
へんじ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして
田舎
(
ゐなか
)
へ
帰
(
かへ
)
つてから、
慇懃
(
いんぎん
)
な
礼状
(
れいじやう
)
も
受取
(
うけと
)
つたのであつたが、
無精
(
ぶしやう
)
な
竹村
(
たけむら
)
は
返事
(
へんじ
)
を
出
(
だ
)
しそびれて、それ
限
(
き
)
りになつてしまつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
それで、
時々
(
とき/″\
)
お手
紙
(
がみ
)
やお
歌
(
うた
)
をお
送
(
おく
)
りになると、それにはいち/\お
返事
(
へんじ
)
をさし
上
(
あ
)
げますので、やう/\お
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めておいでになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
怪
(
あや
)
しや三
郎
(
らう
)
の
便
(
たよ
)
りふつと
聞
(
きこ
)
えず
成
(
な
)
りぬ
待
(
ま
)
つには
一日
(
ひとひ
)
も
侘
(
わび
)
しきを
不審
(
いぶか
)
しかりし
返事
(
へんじ
)
の
後
(
のち
)
今日
(
けふ
)
や
來給
(
きたま
)
ふ
明日
(
あす
)
こそはと
空
(
そら
)
だのめなる
日
(
ひ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると、話しかけられたほうは、気おくれがしてしまって、
返事
(
へんじ
)
をするために、くちばしをひらくことさえできないようでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
返事
(
へんじ
)
が
無
(
な
)
いから二
度
(
ど
)
掛
(
か
)
けましたがそれでも
返事
(
へんじ
)
が
無
(
な
)
いから
塾
(
じゆく
)
ではどうなつた
事
(
こと
)
かと
非常
(
ひじやう
)
に
心配
(
しんぱい
)
して
責任
(
せきにん
)
を
持
(
も
)
つたものは一
夜
(
や
)
睡
(
ねむ
)
らなかつた
位
(
くらゐ
)
。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「
御米
(
およね
)
、
御前
(
おまい
)
子供
(
こども
)
が
出來
(
でき
)
たんぢやないか」と
笑
(
わら
)
ひながら
云
(
い
)
つた。
御米
(
およね
)
は
返事
(
へんじ
)
もせずに
俯向
(
うつむ
)
いてしきりに
夫
(
をつと
)
の
脊廣
(
せびろ
)
の
埃
(
ほこり
)
を
拂
(
はら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひとりひとり、名前をよんでも、たれも
返事
(
へんじ
)
をするものがありません。おしまいに、いちばん下の子の名前まで来て、はじめて、ほそい声で
おおかみと七ひきのこどもやぎ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
若
(
も
)
し
其時
(
そのとき
)
『
日本帝國
(
にほんていこく
)
』から
何程
(
なにほど
)
の
利益
(
りえき
)
と
保護
(
ほご
)
とを
受
(
う
)
けてゐるのかと
問
(
と
)
はれたら、
返事
(
へんじ
)
には
當惑
(
たうわく
)
するほどのミジメな
貧乏生活
(
びんばふせいくわつ
)
を
送
(
おく
)
つてゐた
癖
(
くせ
)
に。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「あの
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
して
下
(
くだ
)
さい。」——
妻
(
つま
)
はさう
叫
(
さけ
)
びながら、
盜人
(
ぬすびと
)
の
腕
(
うで
)
に
縋
(
すが
)
つてゐる。
盜人
(
ぬすびと
)
はぢつと
妻
(
つま
)
を
見
(
み
)
た
儘
(
まま
)
、
殺
(
ころ
)
すとも
殺
(
ころ
)
さぬとも
返事
(
へんじ
)
をしない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『おゝ、』と
飛附
(
とびつ
)
くやうな
返事
(
へんじ
)
を
為
(
し
)
て
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
したが、
固
(
もと
)
より
誰
(
たれ
)
も
居
(
ゐ
)
やう
筈
(
はず
)
は
無
(
な
)
い。
枕
(
まくら
)
ばかり
寂
(
さび
)
しく
丁
(
ちやん
)
とあり、
木賃
(
きちん
)
で
無
(
な
)
いのが
尚
(
な
)
ほうら
悲
(
かな
)
しい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
右の通り
認
(
したゝ
)
めて有りければ城富も
老母
(
らうぼ
)
も
先々
(
まづ/\
)
安心
(
あんしん
)
なりとて委細畏まり奉つり候と
返事
(
へんじ
)
を養母に認め
貰
(
もら
)
ひて使の者を返しける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
もしかの女が私は
柳
(
やなぎ
)
の娘ですから
宅
(
たく
)
へ届けてくださいといったなら、おかみさんは
二
(
ふた
)
つ
返事
(
へんじ
)
で応ずるのであった、ところが文子にはそれができなかった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
源四郎は、ただハッハッと
返事
(
へんじ
)
をしながら、なおせっせと
掃除
(
そうじ
)
をやってる。
老人
(
ろうじん
)
は
表座敷
(
おもてざしき
)
のいろりばたに
正座
(
せいざ
)
して、たばこをくゆらしながら門のほうを見てる。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と
水車
(
すゐしや
)
が
答
(
こた
)
へました。この
水車
(
すゐしや
)
は
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふにも、ぢつとして
居
(
ゐ
)
ないで、
廻
(
まは
)
りながら
返事
(
へんじ
)
をして
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
(
なん
)
でも
返事
(
へんじ
)
をしないに
限
(
かぎ
)
ると
思
(
おも
)
って、だまってすたすた、
馬
(
うま
)
を
引
(
ひ
)
いて行きました。ところがどういうものだか、
気
(
き
)
ばかりあせって、
馬
(
うま
)
も
自分
(
じぶん
)
も
思
(
おも
)
うように
進
(
すす
)
みません。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
しラランの
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
んだが、その
返事
(
へんじ
)
がないばかりか、
冷
(
つめ
)
たい
霧
(
きり
)
のながれがあたりいちめん
渦巻
(
うづま
)
いてゐるらしく、そのために
自分
(
じぶん
)
のからだはひどく
煽
(
あふ
)
られはじめた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
その
返事
(
へんじ
)
だと、五
月
(
がつ
)
五
日
(
か
)
の
夜
(
よる
)
、
着色
(
ちゃくしょく
)
にしろ
無色
(
むしょく
)
にしろ、
西部劇
(
せいぶげき
)
を
上映
(
じょうえい
)
していた
館
(
かん
)
は
一
(
ひと
)
つもない。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
道翹
(
だうげう
)
が
呼
(
よ
)
び
掛
(
か
)
けた
時
(
とき
)
、
頭
(
あたま
)
を
剥
(
む
)
き
出
(
だ
)
した
方
(
はう
)
は
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
ひてにやりと
笑
(
わら
)
つたが、
返事
(
へんじ
)
はしなかつた。これが
拾得
(
じつとく
)
だと
見
(
み
)
える。
帽
(
ばう
)
を
被
(
かぶ
)
つた
方
(
はう
)
は
身動
(
みうご
)
きもしない。これが
寒山
(
かんざん
)
なのであらう。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
法師はぎょっとして、すぐ
返事
(
へんじ
)
もできずにいると、かさねて、さらにふとい声で
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
海蔵
(
かいぞう
)
さんは、
思
(
おも
)
いがけない
言葉
(
ことば
)
をきいて、
返事
(
へんじ
)
のしようもありませんでした。だが、
死
(
し
)
ぬまえに、この
一人
(
ひとり
)
の
慾
(
よく
)
ばりの
老人
(
ろうじん
)
が、よい
心
(
こころ
)
になったのは、
海蔵
(
かいぞう
)
さんにもうれしいことでありました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
殊
(
こと
)
に
信州
(
しんしゆう
)
あたりの
高原
(
こうげん
)
をかっこうの
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きながら
歩
(
ある
)
いたり、
濶葉樹林
(
かつようじゆりん
)
の
涼
(
すゞ
)
しい
林間
(
りんかん
)
を
登
(
のぼ
)
つたりするときには、
鳥
(
とり
)
によびかけられるような
氣
(
き
)
がしてこちらからもかっこうと
返事
(
へんじ
)
がしたいくらゐです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
博士
(
はくし
)
の声はうわずっていた。しかし、こんどは
返事
(
へんじ
)
がなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「
草之助
(
さうのすけ
)
さんてば
返事
(
へんじ
)
がない、いヽ
嫁
(
よめ
)
さんでもとつたのかい」
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
ベンヺ いや、しかけられたからは、
立合
(
たちあ
)
はうと
返事
(
へんじ
)
をせう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何処
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
くんだと
重
(
かさ
)
ねて
質
(
き
)
いた。さうすると、
返事
(
へんじ
)
をした。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
私
(
わたくし
)
は二つ
返事
(
へんじ
)
でお
爺
(
じい
)
さんの
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ゴットフリートは
返事
(
へんじ
)
をしなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
かれは
口笛
(
くちぶえ
)
をふいて
返事
(
へんじ
)
を待った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
という
返事
(
へんじ
)
が
送
(
おく
)
られてきた。
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
ジョバンニは、すぐ
返事
(
へんじ
)
をしようと思いましたけれども、さあ、ぜんたいどこから来たのか、もうどうしても考えつきませんでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼
(
かれ
)
は、
元気
(
げんき
)
づいて、その
家
(
うち
)
の
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
まで、
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らしながらたどり
着
(
つ
)
きました。
彼
(
かれ
)
は、
友
(
とも
)
だちの
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
んだ。けれど、
返事
(
へんじ
)
がなかった。
その日から正直になった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
のう
吉
(
きち
)
ちゃん。たとえ一
夜
(
や
)
の
枕
(
まくら
)
は
交
(
かわ
)
さずとも、あたしゃおまえの
女房
(
にょうぼう
)
だぞえ。これ、もうし
吉
(
きち
)
ちゃん。
返事
(
へんじ
)
のないのは、
不承知
(
ふしょうち
)
かえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
年よりは、ことばをきって、
返事
(
へんじ
)
を待ちました。すると、若者はうなずいて、「つづけておくれ。さきを聞きたいよ。」と、言いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
其後
(
そのご
)
一
枚
(
まい
)
の
端書
(
はがき
)
さへ
寄
(
よ
)
こさなかつたのである。
宗助
(
そうすけ
)
は
安井
(
やすゐ
)
の
郷里
(
きやうり
)
の
福井
(
ふくゐ
)
へ
向
(
む
)
けて
手紙
(
てがみ
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
た。けれども
返事
(
へんじ
)
は
遂
(
つひ
)
に
來
(
こ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
翌日
(
よくじつ
)
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
大層
(
たいそう
)
謝罪
(
しやざい
)
をされるから
何故
(
なにゆゑ
)
返事
(
へんじ
)
をしなかつたと
尋
(
たづ
)
ねると
返事
(
へんじ
)
は
端書
(
はがき
)
で
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
きましたといふのです。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
斷
(
あきら
)
めのつくやうに、
斷
(
あきら
)
めさして
下
(
くだ
)
さいツて、お
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
した、あの、お
返事
(
へんじ
)
を、
夜
(
よ
)
の
目
(
め
)
も
寢
(
ね
)
ないで
待
(
ま
)
ツてますと、
前刻
(
さつき
)
下
(
くだ
)
すつたのが、あれ……ね。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不器用
(
ぶきよう
)
なればお
返事
(
へんじ
)
のしやうも
分
(
わか
)
らず、
唯々
(
たゞ/\
)
こ〻ろぼそく
成
(
な
)
りますとて
身
(
み
)
をちゞめて
引退
(
ひきしりぞ
)
くに、
桂次
(
けいじ
)
拍子
(
ひようし
)
ぬけのしていよ/\
頭
(
あたま
)
の
重
(
おも
)
たくなりぬ。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是非
(
ぜひ
)
やらう。
葉書
(
はがき
)
の
返事
(
へんじ
)
なら
僕
(
ぼく
)
はどんな
忙
(
いそ
)
がしい
時
(
とき
)
でも
直
(
す
)
ぐ
書
(
か
)
く。オヽ、それからまだ
斯
(
か
)
ういふ
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
があるよ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「もう一
遍
(
ぺん
)
行
(
い
)
ってごらん。」とお
母
(
かあ
)
さんが
言
(
い
)
った。「そして
返事
(
へんじ
)
をしなかったら、
横面
(
よこッつら
)
を
張
(
は
)
っておやり。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
口
(
くち
)
の
利
(
き
)
き
方
(
かた
)
は、
少
(
すこ
)
し
内気
(
うちき
)
すぎるほど
弱々
(
よわ/\
)
しかつた。そしてそれについて、
別
(
べつ
)
にはつきりした
返事
(
へんじ
)
を
与
(
あた
)
へなかつたが、わざと
遠慮
(
ゑんりよ
)
してゐるやうにも
見
(
み
)
えた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
とお政は早や声をくもらして、四
苦
(
く
)
八
苦
(
く
)
に気もみする。
夫
(
おっと
)
にすこし客の
相手
(
あいて
)
をしていてくれと
頼
(
たの
)
めば源四郎は「ウンウン」と
返事
(
へんじ
)
はしても、立ちそうにもせぬ。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と
有
(
あり
)
ける
返事
(
へんじ
)
屆
(
とゞ
)
きければ十兵衞夫婦は
歎
(
なげ
)
きの中にも先々兄の世話にてお江戸の吉原町とやらへ
行
(
ゆく
)
上
(
うへ
)
は娘が難儀にも相成まじと心に悦び
直
(
すぐ
)
に
娘
(
むすめ
)
文に其由を語りて
支度
(
したく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしその
美
(
うつく
)
しい
妻
(
つま
)
は、
現在
(
げんざい
)
縛
(
しば
)
られたおれを
前
(
まへ
)
に、
何
(
なん
)
と
盜人
(
ぬすびと
)
に
返事
(
へんじ
)
をしたか? おれは
中有
(
ちうう
)
に
迷
(
まよ
)
つてゐても、
妻
(
つま
)
の
返事
(
へんじ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
す
毎
(
ごと
)
に、
嗔恚
(
しんい
)
に
燃
(
も
)
えなかつたためしはない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
声
(
こえ
)
にも
気
(
き
)
がつかなかったとみえて、
葛
(
くず
)
の
葉
(
は
)
が
返事
(
へんじ
)
をしないので、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
って
子供
(
こども
)
はそっと
庭
(
にわ
)
に
入
(
はい
)
ってみますと、いつものように
機
(
はた
)
に
向
(
む
)
かっている
母親
(
ははおや
)
の
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えましたが
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
やがて、れいの
武士
(
ぶし
)
が来て、おまえの名をよぶだろうが、おまえは、どんなことがあっても、だんじて
返事
(
へんじ
)
をしてはならぬ。
万一
(
まんいち
)
返事をしたなら、おまえのからだは、ひきさかれてしまうのだ。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
三人
(
さんにん
)
は
連名
(
れんめい
)
で
此手紙
(
このてがみ
)
を
出
(
だ
)
した、
大島先生
(
おほしませんせい
)
から
直
(
す
)
ぐ
返事
(
へんじ
)
が
來
(
き
)
て
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“返”で始まる語句
返
返辞
返答
返報
返辭
返討
返詞
返却
返咲
返翰