“中有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゅうう63.6%
ちゆうう18.2%
ちう9.1%
ちうう4.5%
はした4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずれにしても明日の事は判らない。判らぬ事には覚悟のしようもなく策の立てようも無い。厭でも中有ちゅううにつられて不安状態におらねばならぬ。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ぢつとどつか中有ちゆううを見てゐるのが癖であつた、それでもその傲慢がうまんなのさへもある時期には客に魅力であつたらしかつた、しかし、そんな時期はもうすぎ去つてゐた
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
ツと思はず聲を出した時、かの聲無き葬列ははたと進行を止めて居た、そして棺を擔いだ二人の前の方の男は左の足を中有ちうに浮して居た。其爪端つまさきの處に、彼の穢い女乞食がどうと許り倒れて居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかしそのうつくしいつまは、現在げんざいしばられたおれをまへに、なん盜人ぬすびと返事へんじをしたか? おれは中有ちううまよつてゐても、つま返事へんじおもごとに、嗔恚しんいえなかつたためしはない。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ただ眼が早くめ過ぎて、中有はしたに延びた命の断片を、運動でめるつもりで歩くのだから、それほどの興味は空にも地にも乃至ないし町にも見出す事ができなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)