中有ちゆうう)” の例文
ぢつとどつか中有ちゆううを見てゐるのが癖であつた、それでもその傲慢がうまんなのさへもある時期には客に魅力であつたらしかつた、しかし、そんな時期はもうすぎ去つてゐた
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
中有ちゆううに迷ふ生活から逃れて寧ろ彼の癩病やみになりたいと思ひながら僕は重い心を抱いて山を下つた。三年後の今日もまだ僕は眞正に求むる者の幸福を知らずにゐる。
三太郎の日記 第一 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
「早く念仏をお唱へなさらなくつちや。さもないと中有ちゆううでお迷ひになるかも判らないから。」
足だけが中有ちゆううに浮いて居るやうであつた。