“嗔恚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんい57.1%
しんに42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしそのうつくしいつまは、現在げんざいしばられたおれをまへに、なん盜人ぬすびと返事へんじをしたか? おれは中有ちううまよつてゐても、つま返事へんじおもごとに、嗔恚しんいえなかつたためしはない。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人間はそこに罪深くも思想として迷妄世界を建立する。嗔恚しんいと悔恨とが苛責かしゃくきばを噛む。
財宝あれば人がこれを奪い取ろうとする、取られまいとすれば嗔恚しんにがたちまちに起こる。所有の権利を説き奪掠の不義を論じて、ついには闘争合戦に及ぶのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
平和へいわみだ暴人ばうじんども、同胞どうばうもっ刃金はがねけが不埓奴ふらちやつ……きをらぬな?……やア/\、汝等おのれらよこしまなる嗔恚しんにほのほおの血管けっくわんよりながいづむらさきいづみもっさうとこゝろむる獸類けだものども