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嗔恚
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しんい
ふりがな文庫
“
嗔恚
(
しんい
)” の例文
しかしその
美
(
うつく
)
しい
妻
(
つま
)
は、
現在
(
げんざい
)
縛
(
しば
)
られたおれを
前
(
まへ
)
に、
何
(
なん
)
と
盜人
(
ぬすびと
)
に
返事
(
へんじ
)
をしたか? おれは
中有
(
ちうう
)
に
迷
(
まよ
)
つてゐても、
妻
(
つま
)
の
返事
(
へんじ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
す
毎
(
ごと
)
に、
嗔恚
(
しんい
)
に
燃
(
も
)
えなかつたためしはない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人間はそこに罪深くも思想として迷妄世界を建立する。
嗔恚
(
しんい
)
と悔恨とが
苛責
(
かしゃく
)
の
牙
(
きば
)
を噛む。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
しかしその美しい妻は、現在縛られたおれを前に、何と盗人に返事をしたか? おれは
中有
(
ちゅうう
)
に迷っていても、妻の返事を思い出すごとに、
嗔恚
(
しんい
)
に燃えなかったためしはない。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
舞
(
まい
)
も洛中に並びないが、腹を立てるのは一段と巧者じゃ。あの男は
謀叛
(
むほん
)
なぞに加わったのも、
嗔恚
(
しんい
)
に
牽
(
ひ
)
かれたのに相違ない。その嗔恚の
源
(
みなもと
)
はと云えば、やはり
増長慢
(
ぞうじょうまん
)
のなせる
業
(
わざ
)
じゃ。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嗔
漢検1級
部首:⼝
13画
恚
漢検1級
部首:⼼
10画
“嗔”で始まる語句
嗔
嗔咽
嗔火