嗔恚しんに)” の例文
財宝あれば人がこれを奪い取ろうとする、取られまいとすれば嗔恚しんにがたちまちに起こる。所有の権利を説き奪掠の不義を論じて、ついには闘争合戦に及ぶのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
平和へいわみだ暴人ばうじんども、同胞どうばうもっ刃金はがねけが不埓奴ふらちやつ……きをらぬな?……やア/\、汝等おのれらよこしまなる嗔恚しんにほのほおの血管けっくわんよりながいづむらさきいづみもっさうとこゝろむる獸類けだものども
その前に三動物を画き、鴿はとは多貪染、蛇は多嗔恚しんに、豕は多愚痴を表わす。