“撫附”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なでつ50.0%
なでつけ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
且つその狂か、か、いずれ常識無き阿房あほうなるを聞きたれば、驚ける気色も無くて、行水に乱鬢みだれびんの毛を鏡に対して撫附なでつけいたりけり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖母が切髪を撫附なでつけるのに、鼠歯ねずみばという、ごく歯の細かい櫛を使うので、それがあるかと聞きましたが、ありませんかった。黄楊つげの木で造った品ばかりを商う、暗くて古風な店でした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
持頭は惣髮そうはつ撫附なでつけにて威風ゐふう近傍を拂つて徐々しづ/\と進み行く續いて常樂じやうらく院天忠和尚は紫きの直綴ぢきとぢを纏ひ蜀紅錦しよくこうにしきの袈裟を掛けて手に水晶の念珠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
代つて現れたのは白髮を切つて撫附なでつけにしたおうなである。「どうぞこちらへ」と云つて、わたくしをさしまねいた。わたくしは媼と帳場格子ちやうばがうしそばに對坐した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)