たわけ)” の例文
旧字:
「何をたわけ! 迂濶者めが! お師匠の一大事心付かぬか! おろせおろせ! えい戸を開けい」
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お糸の方と手を括りあわされ、満座のなかで馬鹿舞を舞わされた沙汰さたのかぎりのたわけ加減を聞かされたら、腹を立てずにはいられまい。うらめしくも、はかなくも、情けなくもあろう。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たわけめ」と源は自分で自分を叱って、「成程、打ったのは己が打った、女房の命は亭主の命、女房の身体は亭主の身体だ。己のものを打ったからとて、何の不思議はねえ」弁解いいほどいて見る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たわけな口をきいた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)