“うつけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
虚気26.7%
痴呆13.3%
白痴13.3%
魯鈍13.3%
呆気6.7%
呆痴6.7%
失心6.7%
愚鈍6.7%
欝気6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
差置いた洋傘こうもりの柄につながった、消炭けしずみいた棒をながめて、虚気うつけに、きょとんとする処へ、坂の上なる小藪こやぶの前へ、きりきりと舞って出て、老人の姿を見ると
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
痴呆うつけのような返辞をすると
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よも、白痴うつけではあるまいに。ジロジロと、不気味な奴だ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おのれ毒竜、なんじ魯鈍うつけゆえを以て
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
こうなりゆいた今までも潔く諦めようとはせずにやっぱりその女におもいを残している男の呆気うつけさ加減のあまりに馬鹿らしいのを、いささかの同情もなく冷たく笑っていた。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「見えぬのか、眼がないのか。呆痴うつけた奴のう。……あそこの、梅か、あんずか、白い花のさいておる樹の下に」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
失心うつけなる『いま』になづみて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
申し付るこそ重役も左程さほど目の無きものどもにもあるまじ殊に其の方が面體めんていかくまで愚鈍うつけ者とも見えず是程のわきまへなきこともあるべからず是には何か仔細しさいあらんとじり/\眞綿まわたで首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「下世話にもやまいは気からと申す。いまの若さに欝気うつけは大の禁物きんもつじゃ。ああ、ええ陽気じゃわい。枯れ木にも花が咲いて、わしがごとき老骨でさえ浮かれ出しとうなるて。わっはっはっは」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)