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虚気
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うつけ
が、
其に
気が
着く
了見なら、こんな
虚気な、——
対手が
鬼にしろ、
魔にしろ、
自分の
女房を
奪はれる
馬鹿は
見ない。
差置いた
洋傘の柄につながった、
消炭で
描いた棒を
視めて、
虚気に、きょとんとする処へ、坂の上なる
小藪の前へ、きりきりと舞って出て、老人の姿を見ると
もって、余りに
頼効なき
虚気の罪を、この佳人の前に
購い得て余りあるものとしたのである。
その口癖がつい乗った男の方は、
虚気と
惑溺を
顕すものと、心付いた
苦笑も、大道さなか橋の上。思出し
笑と大差は無いので、これは
国手我身ながら(心細い。)に相違ない。